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リュカ伝の外伝
天使とラブソングを……?「エンディング」(第16幕)
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な顔をしてるアイリーン。アンタだって陛下から名曲を貰ってるのだから、そんな顔しないでよ! って言うかもう一通はアンタのよ。

「あの陛下。宜しいんですか私が貰っても?」
「いいよ。でもマリピエ(マリー&ピエッサ)で披露するなら、作詞作曲は(王様)にしてね。絶対あの娘は自分の手柄にしようとするから。ピエッサちゃんが個人で披露するのなら(王様)の名前は極力伏せてね」

私は楽譜を抱きしめ静かに頷く。
これ以上陛下のご厚意に戸惑っても、もう1通を待ちわびてるアイリーンに悪いし。
隣でもう1通期待への圧が凄いのよ……

「んで、もう1通は予想通りアイリーンちゃんね」
「えぇー! もう既に報酬は頂いてるのに、宜しいんですかぁ〜?」
白々しい。

「うん。本当に助かったから、1曲だけってのが申し訳なくてね……ボーナスって奴だよ。リュリュにも苛ついただろうし」
「ありがとうございますぅ〜」
餌を貰った犬の様に喜ぶアイリーン。尻尾が生えてたらパタパタ振ってるだろう。

封筒を渡されたアイリーンは早速中の楽譜を眺める。
そちらのタイトルには『花咲く旅路』と書かれていた。
パッと楽譜を見る限り、私が頂いた曲とはまた趣が違った曲調の様だ。

そして当然の様に陛下はアイリーンの方の曲も弾き語る。
心を綺麗にしてくれる曲……
それが花咲く旅路だ。

「初めて聴く歌なのに、どこか郷愁を感じる」
アイリーンが陛下の歌を聴き終わり、感動と共に発した言葉。
うん、解る!

「そう……そうだわ! 初めてサンタローズ村に行った時に感じた感覚ですわ。この曲は陛下が故郷のサンタローズ村を想って作られた歌ですわね!」
「え!? そんな風に聴こえた? う〜ん……じゃぁそうなのかもしれないけど……う〜ん」

陛下ご自身は戸惑ってるけど、感動しきってるアイリーンは気にしてない。
「そうだわ陛下。早速この曲を今夜のバイトで披露して宜しいですか?」
「あげた曲だからそれは構わないけど、今日の今日で大丈夫?」

「愚問ですわ」
見えない尻尾を振り回し、自身が天才である事を間接的にアピール。
ハラたつ〜。

「じゃぁバイトの時間まで、ここで練習していけば?」
「それは大丈夫です、もう完璧に弾けますから(笑顔) それよりもピエッサ……アンタが頂いた曲の練習を手伝ってあげるわよ、まだ時間があるから」

ムカつく上から目線での申し出。
取り敢えず頬をつねってやってから……
「宜しくお願いします天才先生!」と申し出を受ける。

そんな遣り取りを見ていた陛下が、
「じゃぁ一度も練習せずの、ぶっつけ本番を僕等も見学に行こうよピエッサちゃん」
と、今夜のアイリーンのバイト見学を提案された。

是非とも、ぶっつけ本番見学
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