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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(4)〜構成邦軍は集う〜
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君」
 
 さようでございますか、とクレベールは微笑して腰掛ける。
 成程、いつの間にやらまとめ役がこの場に生まれている。クレベールは食わせ者のようだな、とニュースロットは思案した。

「なるほど、待たせたと思ったが諸君らの間に共有点を見つけられたのであれば問題あるまいよ」


 部屋に集った士官達が敬礼を捧げる。
 基地司令官のシンクレシア・セレブレッゼ中将、基地副司令官兼基地駐屯軍司令官のハインリヒ・フォン・フォルベック少将、基地防空管制司令からスパルタニアン等の航空戦力の管理を押し付けられたヘンリー・ウェンライト准将(ほんの少し前まで大佐であった)。そしてその指揮下にいる、自由惑星同盟地上軍――地上軍予備役として動員された構成邦軍と区別し常備陸軍(レギュラーズ・アーミー)と呼ばれる者達である。
 そして彼らに同行するのが基地建設当時から支援の為に駐留し続けてるヴァンフリート人民防衛軍エドヴァルト・マシェル准将、派遣構成邦軍の最上位たる大夏天民国“正墨旗軍”第二旅を率いるチェン・ツーチョン准将。
 この基地に揃った(基地司令官を除けば)戦闘部門の将官達だ。

「さて、それでは司令官閣下の訓示から始めます」
 笑みを浮かべた少佐――おそらく参謀だろう――が司会役を務める。
「あー……」
 シンクレシア・セレブレッゼ、同盟軍――宇宙軍、地上軍を問わず兵站システムの権威である。
「諸君、この基地は本来は来るべき作戦に備えて設置された基地である。諸君らには万が一に備えて備えていただきたい。
イゼルローンの陥落は同盟一丸となってあたるべき悲願である、この基地の備えはその悲願に向かう一歩である、以上だ」
 そしてそのスピーチは――彼が優れた”前線官僚”であることを過不足なく示す的確かつ無味乾燥なスピーチであった。



 宇宙軍陸戦隊の最精鋭部隊、独立遠征戦闘団”薔薇騎士連隊”はこの指揮官集合にオットー・フランク・フォン・ヴァーンシャッフェ連隊長と副連隊長であるワルター・フォン・シェーンコップが参加していた。
 しかしながらその席次は必ずしも高くない、先代の連隊長が側近を連れて離反してはや2年、未だに他部隊から懐疑の目が向けられるのは当然であった。
 ヴァーンシャッフェは皮肉も言わずに同格の連隊長たちの最下位の席に座る。
 シェーンコップは周囲に皮肉な笑みを浮かべ何か言ってやろうかと思ったがヴァーンシャッフェは部下を睨み威圧的に咳払いをした。


 部下には鷹揚であり戦闘経験豊富で人望もあったが、リューネブルクの出奔後は態度を豹変させ、部下には威圧的で厳格になり、上官に媚びへつらうようになった。 

 黒人の将官がセレブレッゼに向き直り敬礼を捧げる。
「改めまして、セレブレッゼ司令官閣下!フ
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