暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第293話「平和に向かって」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ましょう」

 荒れ果ててはいるが、特に手掛かりはない。
 後の捜査は管理局に任せるとして、優奈達は改めて人の集落へと向かった。







「あ」

「えっ?」

 街に着いて散策をして状況の把握をしていると、バッタリと誰かに出くわす。
 気づいたような聞き覚えのあるその声に、緋雪は思わずそちらを見る。

「……お兄ちゃん?」

「……まさか、ここにいるなんて……なんて偶然よ」

 その人物は、優輝だった。
 厳密には転生したため“志導優輝”ではないが、容姿は間違いなく優輝だ。

「他人の空似とかじゃなくて、間違いなく?」

「ええ。対面すれば分かるわ。間違いなく優輝の転生体よ。……おまけに、どうやら記憶もちゃんとあるようだしね」

 どことなく気まずそうにする優輝を余所に、優奈が断言する。

「……パパ?」

 すると、そんな優輝の服の裾を後ろに隠れていた少女が引っ張る。

「え、あ、その子……」

「……私の記憶が確かなら、その子に見覚えあるのだけど……」

 金髪に右目が翡翠、左目が紅色のオッドアイの少女だ。
 その姿に、優奈達全員が見覚えあった。
 正確には、その少女を少し成長させた姿だが。

「……オリヴィエ……ううん、ヴィヴィオ、だよね?」

「ああ。違法研究所から偶然見つけて、な」

 その少女は間違いなくヴィヴィオだった。
 違法研究所、という事は先ほど優奈達がいた研究所の事だろう。
 そこから保護したのだろうと、優奈達は結論付ける。

「パパ、この人たちは……?」

「怖がらなくていいぞ。彼女達は僕の、そしてヴィヴィオの家族だ」

「パパの、家族……」

 警戒はしているが、優輝が平然としているからかいくらか怯えは薄れていた。
 それを見て、優奈達もあまり刺激しないように一旦落ち着く。

「もしかしてだけど、その子を保護してたからそっちから会いに来なかったの?」

「……まぁ、そうなる、な」

 周りを見れば、優奈達には街の人から注目が集まっているが、優輝達は普通だ。
 つまり、保護した後しばらくここで暮らしていたのだろう。

「はぁ……まったく。とりあえず、記憶があった事とすぐ再会しようとしなかった事はこの際いいわ。そういう“可能性”だったんだし」

 そう言って、呆れながらも優奈は納得して下がる。
 同時に、緋雪の背を少し押した。

「ほら、緋雪」

「うん」

 一歩、緋雪は前に出る。
 何はともあれ、再会できたのだ。
 ならば、言う事は一つだった。

「……お帰り、お兄ちゃん」

「ああ。……ただいま、緋雪」

 平和に向かうその“可能性”の先にて、優輝は帰ってき
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ