暁 〜小説投稿サイト〜
猫のきおく
シーン14

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 今夜はとても大きな月が出ていて、明るかったが、ついさっきから雨が降り出してきた。タイミングを逃してしまって、今日は閉め出されてしまっている。下から見ると、すずりチヤンの部屋も明かりがついているのがわかる。ブロック塀から車庫の上に移れば、何とか一階の出ている屋根に飛び移れるかも・・・。少し、離れすぎているかなあー。まぁ行ってみるか。まず、車庫の上まで登った。こんなに離れているところを飛んだという覚えが無かった。でも飛べると自分に言い聞かせて、身を低くして足を縮めて思いっきり飛んだ。

 何とか端っこに引っかかった。飛べた。屋根伝いにすずりチャンの部屋の下から窓の出ている白い柵に飛び移った。ニャーニャァー 入れてって鳴いた。

 するとすずりチャンが窓を開けて、「プチッなんでー」って言って抱きかかえて部屋ん中にいれてくれた。「どこいってたのー」ってタオルで包みながら抱きしめてくれた。柔らかく、暖かかった。
そのこと以来、俺はすずりチャンの部屋にいるとき、窓際に駆け寄ると窓を開けてくれて、夜の巡回をして、用をたして、又その窓の外で声を出すと中に入れてくれるといった感じだった。

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