牙向く繋がり
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その時、可奈美の体に圧力がかかる。
友奈が咄嗟に、可奈美を少しでも雷鳴より遠ざけるように突き飛ばしたのだ。
オーパーツの力は、そのまま可奈美と友奈の、中間の地点を砕く。同時に発生した電撃が、可奈美と友奈を襲った。
可奈美は悲鳴を上げる。だが、より雷の地点に近い友奈の方が威力は高く、すでに彼女の意識はなくなっていた。
「そんなッ!?」
響の驚く声が聞こえる。
だが、可奈美の横を、バングレイが通り過ぎる気配があった。
「バリッ!」
動揺する響へ、バングレイがラッシュをかける。ベルセルクの力をもってしても、響は防戦一方になっていった。
「オラオラァ! お前の繋がりが、バリ足手まといになったなあ!?」
「っ!」
その言葉に、響の動きが止まった。
「響ちゃん!」
助けに行こうにも、サンダーボルトブレイドの影響で体が痺れる。
そして、バングレイの刃が、ベルセルクの甲冑を引き裂く。
「ひっひゃははははは!」
歓声を上げながら、バングレイの猛攻は続く。
彼が刃物を響に押し付けるごとに、彼女の体より白銀の鎧が剥ぎ取られ、弱っていく。
すでに抵抗する力を失った響は、やがて通常のガングニールに、そして生身へと戻っていく。
「お前、どこに隠しているんだ? ベルセルクの剣をよお?」
生身の響の首を掴み上げながらバングレイが問う。だが、響には答える余裕などなく、ただ呻き声を上げるだけだった。
「ああ? 聞こえねえなあ?」
「……」
「バリバリ。大きな声でバリ言いやがれ!」
「し……らな……い……私の……」
「聞こえねえなあ!」
聞く気があるのかないのか、バングレイは「ま、いいか」と吐き捨てた。
「お前を連れ帰ればいいんだからな!」
「! させない……!」
「お前は寝てろ!」
掴みかかろうとした可奈美は、腹を蹴られ、地面に倒れたところに顔を踏みつけられる。
「うっ……響ちゃん……!」
「バリかゆ」
吐き捨てたバングレイは、そのまま可奈美の腹を蹴り飛ばす。飛びそうな意識とともに、可奈美の体は転がった。しかも、写シを剥がされ、体も痛みで動かなくなっていた。
「ベルセルクは、もらっていくぜ」
可奈美の耳は、それだけを確かにとらえた。
気絶した響を抱える彼の隣には、エンジェルと、美森。
そして、愛おしそうに響を見つめる未来と。
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