暁 〜小説投稿サイト〜
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Saga23開かれた真実の扉〜God only knows〜
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の言葉には何か引っ掛かりを覚える。パッと考えが纏まらないけど、思ったことをそのまま口にしていけばたどり着けると思って、わたしは「あのさ・・・」って切り出そうとしたとき・・・。

「さっきから聞いてるとドクター達って、ルシル君と、セインテストシリーズのオリジナル――セインテスト王を同じ存在として扱ってへん? その辺がちょう気になったんやけど・・・」

「あ、うん、わたしもそれ気になった・・・と思う」

はやてに同意を示すように首を何度も頷いた。いくら記憶などが受け継がれててもオリジナルとクローンは別人である。それを同一存在扱いするのはちょっとおかしい。ドクター達はまた顔を見合わせて、「そうか。そこからだったな」ってディアーチェが深く頷いた。

「まず、その認識を潰さなければならぬな。セインテスト王のクローン、セインテストシリーズ。そもそもそのようなモノは存在しておらん。オーディンも、おぬしらの言うルシリオンも、等しくセインテスト王、ルシリオン・セインテスト・アースガルド本人だ」

ディアーチェの言葉に、わたし達は何度目かも判らない驚愕。古代ベルカで戦った魔神オーディンが、わたし達が一緒に過ごしてきたルシルが、6千年以上も前の魔術師セインテスト王本人・・・。ダメだ、情報過多すぎてもう頭がパンクしそう。

「その辺りの話については、私たちエインヘリヤルより詳しい人物がいるわ」

プレシアがそう言って、ミーティングホールの出入り口の方を見た。それにつられてわたし達も視線を移せば、「っ・・・!」そこには怪しい人物が1人。桃色の神父服とフード付き外套を身に纏い、目や鼻や口といった穴が1つもないツルツルな仮面を付けた、おそらく10代前半の子ども。その格好にわたし達チーム海鳴は一言、「テスタメント・・・!」って口にした。PT事件の折、ステアとして活動してたルシルが名乗っていたコードネームだ。色違いだけど神父服などなど同じデザインだし、間違いない。

「ここからは私、5thテスタメント・マリア・・・。いえ、マリア・フリストス・ヨハネ・ステファノスがお話します。4thテスタメント・ルシリオン、ルシリオン・セインテスト・アースガルド様が、どこでどのようにして生まれ、育ち、そしてテスタメントとして存在してきたのか、そのすべてを私からあなた達に語りましょう」

マリア。ルシルがかつて語った、協力者の名前。そんな彼女が手をポンッと叩いたかと思えば、わたしの意識は一瞬で落ちた。
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