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天才少女と元プロのおじさん
41話 それ以上のものが私にあるのかなぁ??????
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 帰宅してシャワーを浴びている正美は心ここにあらずといった具合でボーッとしていた。頭の中では大野と詠深の言葉が反響している。

[アンタの純粋に野球を楽しむスタンスを否定するつもりはないわ。ただ、そのスタンスを貫くのなら次もウチはアンタに負けないわよ]

[三年生ってさ、今日で終わりかも??????絶対負けられない。そう思いながら過ごしてたんだよね。何か気持ちで負けた気がした。楽しいだけじゃ駄目なのかな?]

――タマちゃんは勝ってきたのも負けたのも実力だって言ってたけど??????。

 実力はほぼ互角だった。こちらのミスに漬け込まれた部分はあるが、得点圏にランナーを置いて連打で繋いだ柳大川越に対して新越谷は満塁のチャンスであと一本が出なかった。
 確かに新越谷は他校と違い今年の夏で引退する先輩が居ない。故に負けたとしても同じメンバーで次もやれる事から危機意識が低かったのかもしれない。
 正美にしても、希みたいに負けん気を全面に出して野球に取り組んでいれば最後の打席も安打になっていただろう。
 そんな風に正美は考えを巡らせていた。

 風呂場を後にした正美は自室に戻るとベッドに横になる。暫くすると意識は自然と落ちていった。






「ねえ、おじさん。野球楽しいだけじゃ駄目なのかな」

 正美はおじさんの元へと来ると、詠深が珠姫に尋ねた問いと同じものをおじさんにぶつける。

「前にも言ったけど駄目じゃないよ。というより、やりたい事とそれに必要な事しか出来ないと僕は思うんだ」
「というと?」

 おじさんの答えに正美は更なる説明を求めた。

「例えば全国大会に出たいって目標があれば野球が上手くならないといけなよね?だから練習に対する意識も高くなる。試合でも一球に対する執念の強さは実力が拮抗した時、大きな差になるんだ。その執念は強い思いがないと芽生えない」

 正美はおじさんの言葉に納得する。

 そして、おじさんは正美に問い掛ける。

「正美ちゃんは何がしたい?どうしたい?」

 そんなおじさんの問いに正美は言葉を詰まらせた。

「正美ちゃんがステップアップしたいなら本気で叶えたい明確な目標を探すことだよ」

 おじさんのその言葉を聞いた所で正美の意識は浮上していく。






 目を覚ますと、正美は母に夕食が出来たと声を掛けられていた。

 起き上がりベッドから足を降ろすと、おじさんの言葉を頭の中で繰り返す。

――本気で目指したい明確な目標??????。

 今まで野球が好きで、だからこそ上手くなろうと練習を頑張ってきた。普通なら好きなこと、頑張ったことでは負けたくないと思うのだろう。しかし、正美にとって野球の相手とは常に大人の男達。自分よりも
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