第一章
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素直でない後輩
矢作鈴は八条学園高等部商業科の一年Ｇ組に所属している、部活は卓球部である。背は一三九センチであり黒髪を長く伸ばしツインテールにしている。
目はややジト目だが整っている、色白で唇は小さく細い。その彼女が部活の先輩である二年生の津上利樹に言った。
「商業科は大変ですね」
「具体的に何がだよ」
「彼氏をゲットすることが」
こう言うのだった。
「本当に」
「えっ、俺もうね」
それこそとだ、津上は鈴に返した。面長で少し細い目で眉の形は整っている。顎が少し尖っていて唇は薄い。少し日焼けした肌で背は一八〇近く整ったスタイルである。
「彼女いるよ、一年の時から」
「それは男子生徒だからですよね」
「もう入学して二日目でね」
その時にというのだ。
「同じクラスの明坂さんからね」
「付き合って下さいですか」
「告白されてね」
それでというのだ。
「今はね」
「そうですね、ですが」
それでもとだ、鈴は津上に言った。
「これが女の子になると」
「ああ、逆だとね」
「もう奪い合いで」
「文字通りの」
「はい、それで」
そうなっていてというのだ。
「今私困っています」
「そうなんだね」
「どうしたものか」
「ひょっとしてね」
津上は鈴の言葉を受けて察した。
「矢作さん彼氏欲しいのかな」
「ほ、欲しくないです」
鈴は視線を右に逸らして津上に答えた。
「そんなの」
「今のお話の流れでそれは無理あるよ」
「気のせいです」
「気のせいじゃないよね、まあそれならね」
目は口程にものを言う、津上は鈴の目を見て確信した。それでさらに言った。
「俺合コンセッティングするよ」
「合コンですか」
「友達に普通科の奴いるから」
「普通科ですか」
「普通科は商業科より女の子少ないから」
それでというのだ。
「彼女いない奴も多いから」
「そうした人とですか」
「会ったらどうかな」
「仕方ないですね」
鈴は口元を綻ばさせてこう言った。
「それなら」
「じゃあ話しておくね」
「お礼は言わないですから」
「うん、それはいいよ」
本心はわかるのでそれはいいとした。
「それじゃあね」
「後は、ですか」
「俺がまた連絡するから」
合コンのセッティングが済めばというのだ。
「その時にね」
「行ってあげてもいいですから」
「わかったよ」
津上は鈴にやれやれという顔で応えた、そうしてだった。
鈴だけでなく卓球部の一年生女子の為に合コンをセットした、場所は商店街にあるカラオケボックスの一つだ。
そこに商業科の卓球部の一年の女子と普通科の一年の男子こちらは適当に彼女募集の者を集めた。そうして合コンをはじめる前に。
お互
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