第三章
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「読んでいます、そして源氏物語も」
「あれは有名よね」
「源氏の君の恋愛模様ですね」
「正直滅茶苦茶だけれどね」
明星は苦笑いで話した。
「あの人は」
「はい、美人をとっかえひっかえで」
「節操がないわね」
「けれどあの恋愛模様をです」
「読んでなの」
「もううっとりするので」
それでというのだ。
「読んでいて」
「あの節操のない恋愛劇が」
「確かに節操はないですが」
源氏の君のそれがだ、源氏物語は読んでいると確かに源氏の君に節操といったものは感じられない。
「源氏の君って魅力的ですね」
「そうなのね」
「人格もあって」
女性に節操はないがそうなのだ。
「教養豊で政治力もあって」
「しかも家柄もだから」
「帝の次男さんですから」
「文句なしどころじゃないわね」
「はい、それでスポーツマンでもあって」
「和歌も詠むのよね」
「本当に素晴らしい人ですから」
伊勢物語の主人公と言われている在原業平が主人公とも言われている、藤原道長が入っているともだ。
「惚れ惚れします」
「それでなのね」
「源氏物語も読んでいます」
「そうなのね」
「はい、古典って堅苦しいものでなくて」
奈央は言い切った。
「読んでいて憧れる」
「そうした恋愛小説なのね」
「ハーレーロマンスみたいな」
そうした感じのというのだ。
「素敵なお話ですよ」
「そうなのね、私読むのはね」
明星は飲みつつ言った、焼酎はおかわりをしていて焼き鳥を食べ終えて今度はホッケとなっている。奈央もビールをおかわりしていて肴は今は焼きそばだ。
「小説はライトノベルで」
「そうなんですか」
「異世界系好きだけれど」
「そっちなんですね」
「奈央ちゃんは恋愛好きなの」
「そうなんです、ですから古典も」
こちらもというのだ。
「読んでいます」
「今お話した通りね」
「はい、これからも読んでいきます」
奈央は明星に笑って話した、そして二人は今飲んで食べているもので止めて店を出た。奈央はそれからも古典を読んだが。
ある日だ、明星にこんなことを言った。それは試合の後で一緒に球場の浴場のサウナに入っている時だ。
「凄い本にあたりました」
「どんな本なの?」
「東海道中膝栗毛ですが」
「その本も教科書に出てるわね」
「はい、ちょっと聞いたんですが」
この誰もが名前を知っている名作のことをというのだ。
「弥次さんと喜多さん旅してますね」
「東海道をよね」
「それが実は」
その旅がというのだ。
「ボーイズラブらしいんです」
「えっ、そうなの」
明星は隣にいる奈央の言葉に驚きの声で応えた。
「旅ものと思っていたら」
「凄いですよね」
「ええ、そっちの旅だったの」
「それで聞いて
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