最終章:無限の可能性
第292話「英雄達の帰還」
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、そんな世界に刻まれた記録へと還ってしまうのだ。
「だから、その前にオリヴィエとクラウスには会っておきたいでしょ?」
「そっか。だからここに連れてきたんだね」
戦いの最中、オリヴィエとクラウスに緋雪は再会した。
だが、再会したとはいえ、積もる話は全く出来ていない。
そこで、優奈が気を利かせて連れてきたのだ。
「……見つけた!」
しばらくして、優奈はオリヴィエとクラウスを見つける。
既にベルカの人々を従えるように復興の指示を出していた。
「オリヴィエ!クラウス!」
そんな二人に、緋雪が上空から呼びかけつつ飛び降りる。
「シュネー!戻ってきましたか!」
「先ほどの声の通り、勝利したのは確かだったんだね」
緋雪の姿を見て、二人も顔を綻ばせた。
その後、少し話をするために、ある程度他の人々に指示を出して改めて向き直る。
「……ところで、そちらの……」
「私は優奈よ。……そうね、ムートの代理人とでも思ってちょうだい」
「代理……まさか、ムートに何か……?」
「察しが良いわね」
そう言って、優奈は聡たちにしたような簡単な説明を二人にも行う。
「それと……リヒトにメッセージが残されていたわ」
「リヒトに?一体、いつの間に……」
優奈の手にはいつの間にかリヒトが握られていた。
優輝が消滅した際、優奈が回収しておいたのだ。
〈再生しますね〉
『―――このメッセージが流れているという事は、オリヴィエとクラウス、そして緋雪が見ているか……もしくは、優奈辺りが確認のために見ているかだな』
映し出された映像には、確かに優輝が映っていた。
だが、背景には何もない。神界の景色すら映っていなかった。
〈マスターは消滅する前に、私に直接この記録を残してきました。おそらく、神界だからこそ出来た手法です〉
一度メッセージを中断し、リヒトが解説を挟む。
リヒトに記録が書き込まれたからこそ、消滅の際にリヒトは何も言わなかったのだ。
『戦いが終わってから何も言わずに去ってしまってすまない。僕に限界が来ることは薄々わかっていた事なんだ。語りたい事は多くあったし、オリヴィエとクラウスもそうだと思う』
その通りだと、オリヴィエとクラウスは頷く。
ムートが、そしてシュネーが死んでからのベルカについて。
生まれ変わり、優輝と緋雪となった二人の歩み。
語りたい事、聞きたい事は多くある。
『悪いけど、それを語る時間は取れなかった。僕から見たモノは語れないけど、それについては緋雪……シュネーから聞いてくれ』
「そこは私に丸投げなんだね……」
『時代を、死を超えて僕らは再会した。ほんの一時であった
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