暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第292話「英雄達の帰還」
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から、思考や性格は女性に寄っているけど、記憶とかは全て優輝と同じ。……尤も、分裂してからは別だけど」

「なるほどね……それにしても、緋雪ちゃんにそっくりね……」

「緋雪の姉にもなるもの。似ていてもおかしくないでしょ?」

 気になる疑問が解消され、そこから世間話へと変わっていく。
 重苦しい話題は出ず、どこか和やかな雰囲気へとなっていった。







「皆さん、思い思いに過ごしているようですね」

「そのようですね」

 一方で、神界の神や“天使”である祈梨達は一か所に固まっていた。
 仮拠点において彼女達を知っているのは共闘した者達だけだ。
 故に、会話に参加する事もなく、同じ立場の者同士で集まっていた。

「何をしているんですか?」

「プリエール・グレーヌに早く力が戻るようにしているんです」

 その一角で、祈梨は天廻と共にプリエール・グレーヌを弄っていた。

「どうですか?」

「ふむ……儂の“性質”を使えば、少しは早く回復するじゃろう」

「なるほど」

 祈梨が確認した所、プリエール・グレーヌはすぐに回復しなかった。
 そのため、回復を早めるために天廻に相談していたのだ。
 
「“廻す性質”は生命のサイクルだけでなく、生活におけるサイクルをも表す。それを応用すれば、自然回復を早める事が可能じゃ」

「飽くまで自然回復……であれば、プリエール・グレーヌに負担はかかりませんね」

 理力を用いればプリエール・グレーヌを無理矢理回復させる事も可能だ。
 しかし、神界での戦闘で既にかなりの負担がかかっている。
 理力での回復では大きな負担がかかるため、壊れる危険性があった。
 対し、自然回復を早める程度ならば、負担はない。

「では、お願いします」

「うむ」

 プリエール・グレーヌを天廻に預け、祈梨は別の場所へ向かう。

「例え回復するとしても、準備はしておきましょうか。手持無沙汰ですし」

 そこは、先ほど司が“祈り”を捧げていた場所。
 魔法陣を中心に、神聖な儀式染みた構造物が並んでいる。

「世界のバックアップ分は、これらで補うように……まずは魔法陣からですね」

 それらは、全て天巫女の“祈り”を増幅させるためのモノだ。
 世界からの支援がない分、プリエール・グレーヌが回復しても成功する保証はない。
 そこを補うために、祈梨は儀式による増幅を狙った。







「……今度は、行けます」

「そのようですね」

 数時間後。司達が地球に返ってきたのは昼頃だ。
 既に日は傾き、夕日が空を照らしていた。

「ッ………!」

 祈梨によって“祈り”を増幅する装置は改良されている。

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