最終章:無限の可能性
第292話「英雄達の帰還」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
から、思考や性格は女性に寄っているけど、記憶とかは全て優輝と同じ。……尤も、分裂してからは別だけど」
「なるほどね……それにしても、緋雪ちゃんにそっくりね……」
「緋雪の姉にもなるもの。似ていてもおかしくないでしょ?」
気になる疑問が解消され、そこから世間話へと変わっていく。
重苦しい話題は出ず、どこか和やかな雰囲気へとなっていった。
「皆さん、思い思いに過ごしているようですね」
「そのようですね」
一方で、神界の神や“天使”である祈梨達は一か所に固まっていた。
仮拠点において彼女達を知っているのは共闘した者達だけだ。
故に、会話に参加する事もなく、同じ立場の者同士で集まっていた。
「何をしているんですか?」
「プリエール・グレーヌに早く力が戻るようにしているんです」
その一角で、祈梨は天廻と共にプリエール・グレーヌを弄っていた。
「どうですか?」
「ふむ……儂の“性質”を使えば、少しは早く回復するじゃろう」
「なるほど」
祈梨が確認した所、プリエール・グレーヌはすぐに回復しなかった。
そのため、回復を早めるために天廻に相談していたのだ。
「“廻す性質”は生命のサイクルだけでなく、生活におけるサイクルをも表す。それを応用すれば、自然回復を早める事が可能じゃ」
「飽くまで自然回復……であれば、プリエール・グレーヌに負担はかかりませんね」
理力を用いればプリエール・グレーヌを無理矢理回復させる事も可能だ。
しかし、神界での戦闘で既にかなりの負担がかかっている。
理力での回復では大きな負担がかかるため、壊れる危険性があった。
対し、自然回復を早める程度ならば、負担はない。
「では、お願いします」
「うむ」
プリエール・グレーヌを天廻に預け、祈梨は別の場所へ向かう。
「例え回復するとしても、準備はしておきましょうか。手持無沙汰ですし」
そこは、先ほど司が“祈り”を捧げていた場所。
魔法陣を中心に、神聖な儀式染みた構造物が並んでいる。
「世界のバックアップ分は、これらで補うように……まずは魔法陣からですね」
それらは、全て天巫女の“祈り”を増幅させるためのモノだ。
世界からの支援がない分、プリエール・グレーヌが回復しても成功する保証はない。
そこを補うために、祈梨は儀式による増幅を狙った。
「……今度は、行けます」
「そのようですね」
数時間後。司達が地球に返ってきたのは昼頃だ。
既に日は傾き、夕日が空を照らしていた。
「ッ………!」
祈梨によって“祈り”を増幅する装置は改良されている。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ