最終章:無限の可能性
第292話「英雄達の帰還」
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「………」
「………」
帰ってきた。
眼下には八束神社の跡地があり、地球に残って戦っていた者達がそこにいた。
「……終わった、んだよね……?」
神界での戦いに勝利した事。
そして、無事に帰ってきた事。
一時とはいえ優輝が消えてしまった事。
その全てに、いまいち実感がなかった。
「そうよ。戦いは終わった。それだけは確かよ」
だからこそ、優奈がしっかりと断言する。
「……そっか……」
ふわりと、八束神社跡地に降り立つ。
「なのは!」
「……!お父さん、お母さん!」
名前を呼ばれ、なのはは駆け出す。
それを皮切りに、なのは以外の家族がいる者達も名前を呼ばれる。
皆、戦いに行った子供が帰ってくるのを待っていたのだ。
「皆、無事に帰ってきたのね」
「リンディさん」
遠くからリンディが他の局員を引き連れつつ合流してくる。
皆が帰ってきた事に安堵しているようだが、すぐに優輝がいない事に気づく。
「……彼は、優輝君は……」
「それについては私が説明するわ」
優奈が前に出て、何があったのか簡潔に説明を始めた。
「じゃあ、本当に死んでしまった訳ではないのね」
「一応はね。ただ、魂はそのままでも肉体は完全に消滅したわ」
説明を聞いて、リンディだけでなく同席した各家族達も安堵していた。
しかし、優奈が続ける言葉に、全員が驚愕する事になる。
「まぁ、今回の戦いで一度でも体が消し飛ばされた人も“死んだ”と言う意味では同じになるわね。“意志”で補填したとはいえ、それは本来の肉体ではないもの」
そう。今回の戦いでは通常の死は“死”にならない。
“意志”次第でいくらでも再生出来た。
しかし、一部の欠損ならともかく、肉体全てを消し飛ばされた場合は物理的な再生はしておらず、ただ“意志”によって補填されているだけなのだ。
「どど、どういう事!?」
「そのままの意味よ。無意識下での“意志”で今は形を保っているけど、世界の法則が元に戻れば……まぁ、死ぬわね」
苦笑いしながら言う優奈だが、他の者からすれば冗談で済まない。
この中で体を消し飛ばされた者は何人もいる。
いつ法則が戻るか分からないとはいえ、死が確定しているのだ。
軽く流せるはずもない。
「マジか……本来の肉体じゃないって、そんな実感ねぇな」
「そもそも無我夢中だったからな」
一方で、気にしていない者もいた。
今の肉体は、詰まる所“テセウスの船”というパラドックスみたいなものだ。
“意志”によって補填されているが、それは本当に自
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