第二百話 真の掌握その九
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「うちは絹の服なんて起きた世界じゃ着たことなかったっちゃが」
「それでもか」
「着てみるとっちゃ」
これがというのだ。
「いいっちゃ」
「そうだな、俺もだ」
英雄もだった。
「これまで興味もなかった」
「絹の服には」
「縁がないともな」
「思っていたっちゃな」
「しかし着てみるとな」
そうしてみればというのだ。
「悪くない」
「そうっちゃな」
「とはいっても外の世界で着るつもりはないが」
「そうっちゃ」
「着心地はいいが動くのに気を使う」
破れはしないかとだ。
「木綿やポリエステルと違う」
「だからっちゃか」
「普段着るなら木綿だ」
これがいいというのだ。
「何といってもな」
「あたし達結局全員起きた世界じゃ普通だしね」
桜子も笑って言ってきた。
「だからね」
「どうしてもだな」
「着るのは木綿かポリエステルだね」
「そうしたものだな」
「あと夏は麻」
この生地の服だというのだ。
「それだね」
「そうだな」
「この世界でもだね」
「動く時はな」
「木綿だね」
「だから木綿も多く作らせている」
農作物としてというのだ。
「そしてだ」
「服を作らせてね」
「売らせてな」
「儲けさせてるね」
「やはり普段着るなら木綿だ」
これが一番だというのだ。
「そして夏の暑い時はな」
「麻だね」
「そうだ」
「そうしたもので」
「絹はな」
いい生地だがというのだ。
「公の場のものだ、堅苦しい時のな」
「服であってね」
「普段着るものでない」
「全くだね、あたしもそうだよ」
「木綿が第一だ」
「本当にね」
「しかし絹は絹で必要で」
奈央は笑って話した。
「これからもね」
「作らせる」
「そうしていくわね」
「是非な、それが富になるからな」
それ故にというのだ。
「そうする、しかし」
「しかし?」
「いや、儲けた銭を博打に使ってする」
「それだね」
「それを防ぐ為にヤクザ者から賭場を取り上げてだ」
そうしてというのだ。
「幕府が行う」
「寺社奉行を通じてね」
「そしてある程度金を失った者はさせない」
「そうしてよかったわね」
「博打で身を滅ぼす奴は馬鹿だ」
英雄はそうした者についてははっきりと否定した。
「そもそもな、だが破滅する馬鹿が減るとだ」
「それだけでいいことだから」
「それでだ」
その為にというのだ。
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