暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
聖夜の狩り
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ングレイは。

 その手の機械___オーパーツ発見機___を握りつぶした。

 それを見下ろすキャスターは、すぐさま行動に映っていた。

 

「消えなさい」

 

 キャスターの手元に、無数の黒い矢が現れる。雪に匹敵する量のそれは、ビースト、ブライ、バングレイを容赦なく付け狙う。

 

「危ねえ!」

『ドルフィン ゴー ド ド ド ドルフィン』

 

 ビーストは、大急ぎで紫の指輪を、ビーストドライバーの右側のソケットに差し込む。現れた魔法陣が右肩にイルカの装飾を付けさせた。

 水生生物であるイルカの魔法。それは、治癒魔法だけではなく、固形物の中の遊泳能力も授けてくれた。

 ビーストはアスファルトへ飛び込む。あたかも石灰でできた地面は、液体だったかのように飛沫を上げながらビーストの入水を受け入れた。

 その後、天から無数の矢が一帯に降り注ぐ。

 

「っ!」

「バリっ!」

 

 退避手段を持たないブライとバングレイは、完全に回避する手段はない。それぞれの得物で矢を打ち落とすが、打ち漏らした矢は、確実に体にダメージを与えていった。

 地上に戻ったビーストは、それを見て冷や汗をかく。

 

「ふえ……おっかねえ」

 

 さらに、空中のキャスターの攻撃は続く。

 無数の黒い光線が、彼女の腕より放たれる。クリスマスの街を塗りつぶすそれは、綺麗な舗装道路を瞬時にむき出しの地表に塗り替えていく。

 

「くそがあ! テメエ、空中からとか、俺に狩られる気あんのか!?」

 

 光線を避けながら、バングレイが怒声を飛ばす。

 だが、キャスターは彼を見下ろし、冷たく吐き捨てた。

 

「あるわけがない。外宇宙の者。消えなさい」

「ふざけんなよ? この世は全て、俺に狩られるためにあんだよ! テメエみてえなクソアマが……!」

 

 だが、無情にもバングレイにはキャスターへ対抗する手段はない。

 やがてバングレイは「仕方ねえ」と毒づく。

 

「オラァ! 令呪! 使ってやるよ! 来いよエンジェル! 今すぐ! 大至急! このクソアマをぶちのめして、オーパーツを奪いやがれ!」

 

 すると、バングレイの右手に輝きが宿る。

 

「令呪だと……!?」

 

 ビーストは驚きの声を浮かべた。

 令呪。聖杯戦争における、サーヴァントへの絶対命令権。わずか三回しか使えず、全てを使い果たしてしまえば、サーヴァント及び聖杯との繋がりさえも切れてしまうもの。

 そうしている間に、バングレイの手に刻まれた紋様は、その一部の姿を消した。

 それはつまり。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ