第十一幕その三
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「神戸まで皆と一緒にね」
「近道で神戸まで帰れるね」
「奈良県と大阪府を通って」
「そのうえで」
「それが出来るよ、日本は東北から南西に細長い地形だから」
それでというのです。
「道は一直線に見えるけれど」
「そうじゃない場合もあるね」
「どうしてもね」
「遠回りになる場合もあるね」
「これが」
「イギリスだとね」
先生は生まれた国のお話もしました。
「首都のロンドンから国の各地に行ける様になっているね」
「そうそう、ロンドンが交通の要でね」
「鉄道でもそうでね」
「もうそこから各地に線路が伸びているよ」
「そうなっているよ」
「日本もそうだけれど」
今いるこの国もというのです。
「東京からね」
「そうだよね」
「言わずと知れた日本の首都からね」
「各地に行ける様になっているね」
「西にも東にも」
「そして北にも」
「そうだけれど細長い地形だから」
イギリスと違ってです。
「それでね」
「線路も車道も血管みたいになっていて」
「一直線な様に見えてね」
「それでも遠回りする場合もあるね」
「これがね」
「それは山が多いからだよ」
日本はというのです。
「だからだよ」
「そうそう、日本って山多いね」
「もう国土の七割位が山だったわね」
「それだけ山が多いから」
「だからね」
「そう、山が多くてね」
その為にというのです。
「人が少なかったり線路を通しにくいから」
「だからだね」
「完全に一直線とはいかなくて」
「遠回りすることもあるね」
「時として」
「伊勢から神戸までの道もね」
これもというのです。
「JRだと近く一直線には行けないよ」
「遠回りになって」
「それでね」
「時間がかかるね」
「その分ね」
「今は新幹線があるけれど」
日本が誇るこの鉄道がというのです、物凄く速くてしかも揺れない安定感抜群の素晴らしい鉄道です。
「昔はね」
「そうはいかなかったね」
「列車を使うにも」
「三重県から奈良県の間の山は険しいから」
「どうしてもね」
「その険しい山にも線路を敷いているけれどね」
日本という国はです。
「けれどね」
「それでもだよね」
「山は山だから」
「奈良県と三重県の境は山が険しいから」
「近鉄は通っているけれどね」
JRはというのです。
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