暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第291話「永遠の別れじゃない」
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其は、可能性の道を示す導(フュールング・メロン・デュナミス)

 イリスにも使われた光が、今度は優輝を包み込む。
 
「かはっ、はぁー、はぁー……ッ!まったく、私だって代償がない訳じゃないんだから……!」

 光が収まった瞬間、優奈は血を吐いてその場に蹲った。

「成功したの……?」

「一応ね……」

 イリスの時と違い、優輝はまだそこにいる。
 その事から、司は不安がって尋ねたが、確かに成功したと優奈は断言する。

「父さん、母さん」

 消滅光はまだ収まっていない。
 今ここで一度消えるという事実は変わっていない。
 そのため、消える前に優輝は両親へと声を掛ける。

「神としての僕は残っても、父さんと母さんの息子である志導優輝はここで死ぬ。それは変えられない事実だ。……だから」

「それでも!お前は息子だ!」

「そうよ!それは、変わらないわ……!」

 遮るような二人の言葉に、優輝は笑みを浮かべる。

「その言葉を聞けて良かった。そして、ありがとう。僕も父さんと母さんの子に生まれて良かった。二人にとっては親らしく出来ないと思った時もあっただろうけど、それでも二人は僕にとって親に変わりなかったよ」

 “領域”が消えなくとも、志導優輝の命はここで終わる。
 次に目を覚ました時には、二人とは血の繋がりがなくなってしまう。
 ……だけど、それでも“家族”だと、そう確信出来た。

「……せめて、二人とは言葉を交わしたかったからね。こうして、ここまで来れて良かった。後は……緋雪」

「お兄ちゃん。永遠の別れじゃないなら、さよならは言わないよ」

「……言うまでもなくなったな。緋雪も、強くなったものだ」

 緋雪にとっては、転生など今更だ。
 だから、別れの意識は持たない。

「司、奏」

「出来るだけ、早く帰ってきてよ。私の大好きな親友」

「また救うだけ救っていなくなるのは嫌よ。……だから、いつかまた恩を返させて」

「ああ。そのためにも、僕は帰ってくる」

 覚悟は決まっている。永遠の別れではない。
 不安はない訳ではないが、その想いから二人は再会を約束する。

「葵、それと椿……いるか?」

「“領域”が無事だったから、いるわよ」

 “意志”を集めた矢を放った椿は、肉体を失っていた。
 それでも“領域”は無事なため、幽霊のような透けた姿で存在していた。

「僕の式姫として共にいてくれてありがとう。何度も助けられよ」

「式姫として当然の事よ。……それより、早く帰ってきてよね」

「かやちゃんが寂しがっちゃうからねー。もちろん、あたしも。……だから、実は助からなかった、なんて止めてよね?」

「当然だ」

 式
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