暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第291話「永遠の別れじゃない」
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の中心であった優輝が消える。
 そんな事実が、帝は許せなかった。
 否、当然ながら帝だけでない。誰もがその事実を許せなかった。

「いう事は尤もだ。……だけど、誰もこれが“結末”とは言っていないぞ?」

「は……?」

 帝に胸倉を掴まれたまま、優輝は答える。

「僕が選んだ“最善”は僕だけが望むモノじゃない。……皆にとっての“最善”だ。おかげで、あらゆる場面で綱渡りになったが……“掴んだ”」

「何を言って……」

「僕らが迎える“結末”はここじゃない。もっと先だ。そうだろう?優奈」

 優輝の言葉によって、優奈へと視線が集中する。
 注目された優奈は溜息を吐きつつ、優輝へと返答する。

「……よく言うわ。こんな賭けの連続なんて、どんな大博打よ」

「だからこそ、成し遂げた先のモノは大きい」

「うっさい。我ながら周りを振り回して……フォローはしないわよ」

 憎まれ口を叩きながらも、優奈の顔に悲壮感はない。

「知ってたのか?この事を……」

「途中で気づいた、が正しいわね。……ただ、同じ立場なら私も考え付いただろうと思うと……やっぱり、私と優輝が元々一つだっただけあるわ」

 優奈も優輝から聞かされていた訳じゃない。
 だが、途中で優輝の状態に気づき、そこから何をする気なのかを理解したのだ。
 それを説明するために、優奈は改めて皆に向き直る。

「消滅する結果を変える方法があるわ。条件は大まかに二つ。一つは代償を支払う程の力。もう一つは“結果”に干渉出来る“性質”である事」

「それって……」

 前者はともかく、後者には心当たりがあった。
 “可能性の性質”。それならば“結果”にも干渉出来る。

「でも、変えられる本人……今回の場合は優輝ね。優輝自身が“結果”を変える事は出来ない。飽くまで他の人が行う必要があるわ」

「そこで、優奈の出番って訳だ。やり方は見ていただろう?」

 優奈もまた“可能性の性質”であり、条件を満たしている。
 ここまでの道程を、優輝は“可能性の性質”と“道を示すもの(ケーニヒ・ガイダンス)”によって無理矢理辿ってきたのだ。
 だからこその“賭けの連続”だった。

「お姉ちゃん……」

「優奈ちゃん……」

「……やってやるわよ。最高で、最善の“結末”を、掴もうじゃない」

 理力が渦巻く。
 だが、なけなしの理力では足りない。

「余った理力を貸してちょうだい!」

 故に、足りない分は天廻達が供給する。
 ここまで来てただ見ている訳もなく、天廻達は何も言わずに協力した。

「言っておくけど、これで上手く行くかは賭けよ!」

「百も承知だ」

「なら、受け取りなさい!」

   ―――
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ