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レーヴァティン
第二百話 真の掌握その二

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「だからだ」
「それ故にですね」
「芋を植えさせますね」
「民達に」
「そうさせますね」
「薩摩芋をな。ジャガイモでもいい」
 芋ならどちらでもというのだ。
「これまでもそうしているが」
「これまで以上にですね」
「さらに植えさせて」
「そしてそれを民達に食わせ」
「さらにですね」
「家畜にも食わせる」
 民達に食わせてさらにというのだ。
「あの二国は豚も飼っているからな」
「はい、豚を家畜にしています」
「今はでは天下で広く行っていますが」
「やはりこの浮島では豚というとあの二国です」
「それに琉球です」
「その豚達にも食わせ」
 その芋、薩摩芋やジャガイモをというのだ。
「肥えさせてな」
「その豚も食う」
「そうしていってですか」
「民達をそちらからもですね」
「腹を満たさせるのですね」
「そうする、そしてその肉をだ」
 豚のそれをというのだ。
「干し肉や燻製にしてだ」
「そしてですね」
「他の国に売る」
「そうもさせますね」
「骨もだ」
 これもというのだ。
「使える」
「豚骨ですね」
「そちらも使えますね」
「だしに使える」
「左様ですね」
「そうだ、鶏と同じだ」
 即ちトリガラと、というのだ。
「骨までもだ」
「だしに使える」
「だからそちらも使う」
「捨てるのではなく」
「そうすべきですね」
「こちらも売れる」 
 その豚骨もというのだ。
「だからな」
「それも売って」
「そして儲けてもらう」
「そうしてもらいますね」
「骨を売っても」
「そして耳や内臓、足の先もだ」
 こうした場所もというのだ、英雄はここでは琉球の料理も頭の中に思い浮かべてそうして話をしていった。
「食えるからな」
「民達はそこも食い」
「そして売る」
「そうしていくのですね」
「豚は声以外食える」
 まさにというのだ。
「だからな」
「それ以外を食って」
「そして腹を満たさせて」
「売って儲けさせる」
「二国の民達にそうさせますか」
「そうする、それで貧しさから救う」
 薩摩そして大隅の民達をというのだ。
「それは甲斐も同じだ、幸いこの浮島の甲斐には虫がいない」
「虫といいますと」
「その虫は何ですか」
「一体」
「日本住血吸虫という。非常に小さいが身体に入り命を脅かす」
 この虫は実在している、そして多くの命を奪いかつ甲斐即ち山梨県の田の開墾を妨げてきたのである。
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