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レーヴァティン
第二百話 真の掌握その一

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               第二百話  真の掌握 
 英雄達は江戸城を拠点とし関東全体の政をあえて関東に留まったうえで行っていた、だが順番にだった。
 大坂に戻り幕府全体の政を見てかつ自分達がいない間の勝手な振る舞いにも目を光らせていた。そして今は英雄が大坂にいたが。
 大坂で政を執りながら幕臣達に言った。
「もう少し西の浮島との貿易を増やしたい」
「そうされますか」
「ですが今はどの港も手が一杯です」
「堺にしても長崎にしても」
「西国では」
「そうだな、では横浜だ」
 関東のこの港をというのだ。
「使おう」
「あちらにも空船を置き」
「そしてですか」
「それで西の浮島と商いをしますか」
「その様にしますか」
「そうする、浮島の中での商いも大事だが」 
 それに加えてというのだ。
「それに加えてだ」
「浮島間のですね」
「その商いにも力を入れていき」
「そしてですね」
「さらに豊かになりますね」
「そうなっていく、国全体がな」
 貿易によってというのだ。
「そうなっていくべきだ、あとだ」
「あと?」
「あとといいますと」
「他にもありますか」
「薩摩と大隅のことだ」
 この二国のことも話した。
「やはり米が採れにくいな」
「はい、どうしても」
「あの二国はそうですね」
「桜島があるので」
「そのせいで」
「あの山は常に噴火している」
 この浮島でもこの山はそうしているのだ。
「そして灰を常に出してだ」
「そしてですね」
「土地を悪くしていますね」
「あの火山灰が土地を痩せさせて」
「二国を貧しくていますね」
「だからだ」
 その桜島のことがあるからだというのだ。
「もうそれは受け入れるしかない」
「桜島のことは」
「常に噴火をすることはですか」
「諦めるしかないですか」
「下手に抑えてもその力が何処かで出る」
 桜島の噴火を止めてもというのだ。
「例えそれが出来てもな」
「左様ですね」
「それは駄目ですね」
「出来るものではないですね」
「如何に上様でも」
「そして他の方々も」
「流石にな。俺達も神ではない」
 英雄はこれは絶対だと言い切った。
「人間だ、人間ならだ」
「どうしてもですね」
「出来ることに限界がある」
「それで上様もですね」
「それには限りがありますね」
「そうだ、なら受け入れるしかない」
 桜島の噴火常のそれもというのだ。
「だからだ」
「そのうえでどうするか」
「それが大事ですね」
「桜島についてもでそうで」
「薩摩と大隅についても」
「あの二国でも芋は育つ」
 火山灰のせいで痩せた土地でもというのだ。
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