第二章
[8]前話
「そこで産んでもらうか」
「そうしますか」
「ああ、そうしよう」
部長はこう言ってだった。
すぐに交番の奥の仮眠室に布団を座布団を出した、そしてモーランに仮眠室の方を指差して言った。
「あっちに行けばいい、まだ歩けるな」
「ニャア〜〜」
モーランも応えてだった。
自分で仮眠室に向かった、そして座布団の上でだった。
子供達を産んだ、その子達は。
「ニャア〜〜」
「ナア〜〜」
「ニャンニャン」
「ニャ〜〜ン」
四匹いた、それぞれ白と黒、黒地に白模様、白地に黒模様といった毛並みだった。
四匹共モーランの腹のところにいる、巡査はその子猫達を見て一緒に見ている部長に対して言った。
「産まれましたね」
「無事にな」
「四匹共ですね」
「ああ、じゃあ少し落ち着いたらな」
部長はさらに言った。
「この子を獣医さんに診せるか」
「そうしますか」
「それからこの子達をどうするか考えるか」
こう言ってだった。
彼は暫くするとモーランも子猫達も獣医に診せた、すると五匹共健康で。
五匹は暫く交番の中にいた、部長はその彼等を見つつ巡査に言った。
「何か見ていると愛着湧いてきたな」
「子猫達にも」
「親子引き離すのも可哀想だしな」
「それで、ですね」
「五匹共な」
彼等もというのだ。
「交番にな」
「いてもらいますか」
「署長に話してもいついたのならいいなってな」
「問題なしですか」
「ご飯あげてもな」
そうしてもというのだ。
「いいっていうしな」
「それならですね」
「五匹共いてもらうか、この交番に」
これからもというのだ。
「そうしてもらうか」
「そうですね、それじゃあ」
「ああ、これからも一緒にいような」
「ニャア〜〜」
猫達は部長の言葉に応えた、子猫達はモーランの後についてきている。
子猫達は白猫の雄は白、黒猫の雌はクロ、白地に黒の雌はミイ、黒地に白模様の雄はタロと名付けられた。そうして交番に母と共にいることになった。
五匹はいつも仲良く交番とその傍にいて離れなかった、次第に五匹共交番の中にだけいついて家猫の様になった。警官達はいつもその彼等を見て和みながら勤務した。
交番の猫の家族 完
2021・4・21
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