第二章
[8]前話
その新しい飼い主が施設に来た、ここでスタッフはその飼い主にあらためて話した。
「確認されてますよね」
「この子については」
「老猫で色々ありますが」
「その中にです」
「はい、ぬいぐるみですね」
新しい飼い主は見るからに誠実で優しそうな人だった、その人がスタッフ達に対して明るい笑顔で答えた。
そしてそのぬいぐるみを見て言った。
「これですね」
「はい、そのぬいぐるみです」
「もう古くなってぼろぼろですが」
「フーニーの一番の友達です」
「おもちゃやお気に入りの道具を越えて」
「そうなっていて」
「ずっと離れないんですね」
新しい飼い主はこのことを確認した。
「そうですね」
「はい、そうです」
「だから宜しくお願いします」
「この子にとって掛け替えのないものなので」
「この子と同じだけ大事にしてあげて下さい」
「そうさせてもらいます、じゃあ行こう」
「ニャンッ」
フーニーは新しい飼い主に人懐っこく鳴いて応えた、そうしてだった。
そのぬいぐるみと共に新しい家族の家に入った、そしてスタッフの人達はその家族からフーニーの今の姿を映した画像を観たが。
「幸せそうですね」
「ぬいぐるみと一緒にいて」
「優しい飼い主の人達に囲まれて」
「何よりです、ならこのまま一生ですね」
「ぬいぐるみと一緒に幸せに生きてもらいましょう」
今もぬいぐるみと一緒にいて抱き締めて気持ちよさそうに寝ているフーニーの姿を見て笑顔になった、誰もがフーニーと同じく幸せそうな顔になっていた。
老猫の相棒 完
2021・4・19
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