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レーヴァティン
第百九十九話 関東の政その九
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「それこそ今話に出た社会だ」
「世紀末の社会でござるな」
「法律も秩序もないな」
「暴力の世界でござるな」
「弱い者は殺され奪われる」
「力のある無法者達に」
「そうなる、世紀末でなければだ」
 最悪と言っていいその世界でなければというのだ。
「七人の侍か荒野の七人だ」
「どちらにしても無法の世界でござるな」
「そうした世界では力のない者か馬鹿から死ぬ」
「そうしたことを何もわからず言う者程」
「真っ先に死ぬ」
 そうなるというのだ。
「無法者に殺されるかそうした社会で生きられずな」
「飢え死にでござるな」
「そうなる、権力を忌み嫌いテロを賛美する馬鹿もいるが」
 世の中にはというのだ。
「権力に反対するならいいと言ってな」
「それは確かに馬鹿者でござるな」
「これ以上はないまでにだな」
「拙者もそう思うでござる」
 智にしてもだった。
「まことに」
「テロで人が傷付き死ぬ」
「その人達の痛みや苦しみを考えようともせず」
「遺族の人達もそれもだ」
「どういった理想を掲げていても」
「無関係の者を巻き込むなぞ論外だ」
 英雄は声にも表情がないが今な誰が聞いても怒っていることがわかった、それは話の調子で察しがつくものだった。
「敵に向かうのではなくな」
「その時点で卑劣で無法でござる」
「だがそれを自分が権力が嫌いでだ」
「そう言うのなら」 
「好き嫌いは勝手だ」
 このこと自体は構わない、英雄は言い切った。
「それはな、だが」
「他者それも罪も関係ない者を殺めてもいいというのなら」
「それは愚かだ」
「どうにもならないまでに」
「生きる価値がないまでのな」
 愚かも極めてというのだ。
「そこまでの奴だ」
「そうした愚か者が実際にいるでござるからな」
「被害者の遺族の前に縛って突き出すことだ」
 その様な愚か者はとだ、英雄は言い切った。
「そいつが嫌いな権力が確かにしている法律の保護外においてな」
「まあ殺されるやろな」
 耕平も今は厳しい口調であった。
「普通に」
「そうなるな」
「間違いなくな」
 そうなるというのだ。
「相手の人が全員神様みたいな心でもないとな」
「一人でもそうでないなら殺される」
「それで誰も同情せんわ」
「人の痛みも苦しみも悲しみもわからずだ」
 英雄はさらに言った。
「わかろうともしないなぞな」
「ほんま生きる価値もないレベルのアホやな」
「愚か者と言っても様々だ」
「種類と程度があるわ」
「しかしこうした種類でだ」 
 他人のことがわからずというのだ。
「そしてこの域に達するとな」
「ほんま生きてても仕方ないな」
「他人の痛みや苦しみが全くわからず平気でそんなことを言う奴はな」
「それでそんな奴こそな
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