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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
SAO編ーアインクラッド編ー
05.圏内事件
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......。まだ、起きそうにもないしやるか」

俺とキリトは互いに向き合う。
そして、メインメニューを開き、デュエル、《初撃決着モード》をキリトに申し込む。

「それじゃあ、始めるぞ」

「行くぞ!!」




「「はぁ、はぁ」」

俺とキリトのデュエルは、全く決着がつかず日が落ちかけるまで続いた。

「くしゅん」

可愛らしいクシャミが聞こえたと思うと今まで寝ていたアスナが動く。どうやら起きたようだ。アスナはあたりを一旦見渡したあと、こちらを見る。

「えっ、なっ!な!」

「おはよう、よく眠れた」

「遅いお目覚めだったね」

アスナが急に立ち上がり、細剣に手をかける。俺とキリトは、デュエルを中断し、崩れた石の壁に隠れる。アスナは細剣を抜こうとするが、それを押し殺すように震えている。

「.......ご飯一回」

「「はぁ?」」

「ご飯、なんでもいくらでも一回おごる。それでチャラ。どう?」




第五十七層・マーテン

とあるレストランに俺、キリト、アスナは訪れた。周りの視線が俺たちに向けられる。

「血盟騎士団のアスナじゃないか?」

「あれが《閃光》の」

「あの二人の黒い奴って」

というような周りの声が耳に届く。

「あの、なんていうか」

アスナは小さな声で話し出す。

「今日はありがとう。......ガードしてくれて」

「あぁ、いや」

「まぁ、俺たちはデュエルしてたけどな」

「街の中は安全な圏内だから誰かに攻撃されたりPKされることはないけど.......眠っている間だけは別だし」

「あぁ、デュエルを悪用した睡眠PK。普通デュエルは腕試しに行われるものだけど、その最中は圏内でもHPがなくなって、ダメージを受けることになるから」

「眠っている相手にデュエルを申し込んで相手の指を勝手に動かしてOKボタンクリック。そのまま一方的に攻撃を。.......なんて事件が実際起きたし。.......だからその......ありがと」

「ま、まぁそのどういたしまして」

「いえいえ」

話すことがなくなった。だが、この沈黙はすぐに破られた。破ったのは俺でもキリトでもアスナでもない。

「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

女性の叫び声だ。

俺たちはレストランから飛び出し、広場に向かう。すると、そこにはロープに吊るされる甲冑の男。その体には短槍が突き刺さっている。

「早く抜け!!!」

キリトが叫ぶも、甲冑の男は苦しみだす。どうやら痛みで抜けないようだ。

「君は下で受け止めて!」

アスナが建物の中に入って行く。

「わかった!」

キリトが走る。

「待ってろ!!」

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