第二章
[8]前話
「どうやら」
「左様ですね」
「植物が増えたので」
まさにそのせいでだ。
「山に水が溜まってです」
「川に安定して水が送られる様になって」
「それで、ですね」
「川もよくなっていますね」
「一直線になって」
「水の量が増えました」
「そうなりました」
「いや、凄いですね」
スタッフの誰もが驚嘆していた。
「これは」
「全くです」
「狼達が来て」
「彼等が戻ってです」
「それだけだったのに」
「それで鹿を食べて」
そしてというのだ。
「その数を減らしました」
「それだけだと思っていたら」
「それがです」
「まさかこんなことになるとは」
「生態系全体がよくなり」
「しかも川まで変えるとは」
「この公園は変わりました」
まさに一変したというのだ。
「狼達が来てから」
「左様ですね」
「そうなりました」
「本当に凄いことです」
「狼が来ただけで」
「そして僅かだったのに」
それでもというのだ。
「ここまでのことをしてくれるなんて」
「こんな素晴らしいことはない」
「本当にそうですね」
「生態系は少しでも狂うと大変なことになる」
かつてのこの公園の様にというのだ。
「その場全体が荒れますが」
「それでもですね」
「こうしたことで戻る」
「些細はことでも」
「そのことがわかりましたね」
「全くです」
スタッフの人達はこう話した、そして。
狼達を見た、彼等は今は遠吠えをしていた。
「オオーーーーーーーン」
「狼は必要です」
「かつては忌み嫌われ狩られていましたが」
「そんなことをしてはいけないですね」
「狼がこの公園を救ってくれました」
「そのことを見てもわかりますね」
「狼が必要ということが」
こう話した、そうしてだった。
彼等は狼を温かい目で見た、公園を救ったその彼等を。
狼がもたらした奇跡 完
2021・4・17
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