バイトの話
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!」
「?」
先輩に呼ばれ、なんだろうと思い駆け寄る。
すると、
「休憩終わったらさ、これに着替えようよ。」
「…え?」
お栄ちゃんと先輩が僕にみせてきたのはこのお店のウェイトレスの制服。
そう、ウェイトレス。
女性用の制服を差し出してきた。
「な、なんで!?僕男ですよ!!」
「いやー、彼女さんとお話させてもらってる間に気があっちゃってさー。少年、女の子みたいな顔してるよねーって。」
「だからここはうぇいとれすの制服を着てもらおうって話になったわけだ。」
わけわかんないよ。
とりあえず休憩時間ももう終わる。
僕はそんな罰ゲームみたいなことはお断りだと言ってタイムカードを切りに行こうとするが…
「えっ、わっ!?」
お栄ちゃんが掴みかかる。
逃げようとするも足は先輩に抑えられ、僕はあっという間に2人に捕われ、担がれた。
「やめて!!誰か!誰か助けて!!」
周囲にお客さんがいるのも気にせず、僕は叫ぶ。
女装?そんなの死んでも嫌だ。
ただでさえ女の子に間違えられるのにこんな屈辱的なことされてたまるか。
それに女装なんかしたら、人として…ううん、男として大切な物を失う気がする。
「友作くん!!キルケー!!」
「あ、すいません。お会計お願いします。」
「お願い!!おいてかないでぇ!!!」
報復が怖いのか2人は手を貸してくれない。あろうことか逃げてしまった。
頼れるのは自分のみ、だから精一杯抗った。
しかし非力な僕はサーヴァントのお栄ちゃんにも、学生時代は水泳をやってたらしい体育会系の先輩にも一切適わず、そのまま無慈悲に更衣室へと連れていかれた。
で、
「うう…!」
「おお…やっぱり似合うねぇ!」
「おれの目に狂いはなかったナ!」
ホールに立たされた僕。
そこそこ短めなスカート、上下青を基調とした服に可愛らしくアレンジされたオシャレなエプロン。
この制服は女子高生からは割と人気あるらしく、それを理由にバイト志望をする学生も少なくないという。
ただ、
「えーすごくない少年?男物よりこっちの方が似合ってるよ!今日からソレね!」
「ほらマイ、お客様だ。いらっしゃいませって言うんだヨ?」
殺して欲しい。
この制服だって僕みたいな男に着られたくないはずだ。
で、これを着たことによる周囲の反応なんだけど
「あ、誰かと思えば葛城くん!?あんな新人いつ入ってきたのかと思ったよ!」
「え…やば…あれで男?なんかうち女として負けた気がする…。」
僕と同じようなアルバイト達からは絶賛の嵐。
さらに
「いいんじゃない?たどちゃんもそう言ってるしさ。明日からそれでもいいよ。」
「だとよ少年。じゃあ前の制服は業者さんに返却すると
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