バイトの話
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あーうん。私はやりたいことがあったから中退した。あと私の学校クソつまんなかったしね!」
本来なら、田所先輩は高校三年生だ。
だけど今この人はこうして喫茶店の調理場に立っている。
死ぬほど後悔する。
この言葉はやはり、自分の体験から言っているんだろうか。
「先輩の通ってた学校って、どこなんです?」
「えーそれ聞く?死ぬほどつまんないよ。」
いつも不思議に思う。
この人は、自分の昔の話になるとすぐに逸らそうとする。
まるで…触れられたくない過去みたいに。
「それよりさぁ少年!ちょっと今やってるイベントのここがクリアできないんだけど…」
そう、こうやって。
話題転換に先輩が見せてきたのはスマホ。
そこに映っているのはFGOだ。
「これって…だめじゃないですか!相手ムーンキャンサーですよ!」
「えっ、えーとじゃあ…」
「ロボはだめです。入れたい気持ちは分かりますけどここは別の方が…。」
先輩がFGOを始めたキッカケは、僕だ。
休憩中、僕がやってるのを見て始めた。
最初は何が何だかまるで分からず、僕にあれこれ教えて貰いながら進めた。
そうして苦戦しながらもついこの前、無事に人理修復を達成出来た。
ちなみに田所先輩の推し鯖は話にも出てきた通り
「じゃあロボはお留守番か…。」
「そうですね。確かにステータスはこの中でいちばん強いですけど相性不利となるとさすがに…。」
へシアン・ロボだ。
元々先輩は犬好きで、始めた時たまたまピックアップしていたものだから衝動的に引いてしまったらしい。
聖杯とかも遠慮なく捧げ、最初からいてくれた彼(?)はもう少しで絆レベルが10になる。
と、田所先輩はロボに多大な会い所を注いでいるけど僕からしたら、その狼はもう二度と見たくないサーヴァントだった。
だって、この前の桐生のこともあるし、何より右腕を噛まれたから。
「そういや少年は…まだ出来ないんだっけ?」
「はい…そうなんです。」
ちなみにFGOができなくなったことは先輩も知っている。
そうしたらお栄ちゃんが来ました、なんてことは言ってないけど。
「誰だっけほら、少年のお気に入り」
「北斎ちゃん、ですか?」
「あーそうそうそれ!新しいクラスだよね!アレ強いの?」
「あぁ、強ぇヨ。」
「へーそうなん…え?」
お栄ちゃんは強い。
しかしそう答えたのは僕じゃない。
「えっ、あっ、彼女さん!?」
「お栄ちゃん!?どうしてこんなところに!?」
お栄ちゃんだ。
「しばらく出てこないもんだからこっちから来てやった。」
「お栄ちゃん!!ここ従業員だけしか入っちゃいけないの!!」
「知るか。おれァマイのお栄ちゃんだぞ。」
「関係ないから!!」
奥の方から
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