バイトの話
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強引にキスしてきたり、
「ひゃあっ!?」
「おっといけねェ、つい色気のある尻が目の前にあったんでナ。」
近くのテーブルを掃除していたらいきなりお尻を掴まれるし、
「暑いねェ、ここくうらあ効いてんのかい?」
「効いてるはずだけど…って!?」
暑がるふりをして、上着の襟を引っ張って胸を見せつけたり
もうとにかくたまらなかった。
そして僕が今までお栄ちゃんにバイト先を教えなかった一番の理由が"コレ"だ。
ちょっかいを出してきて、仕事にならなくなるから。
もし教えればお栄ちゃんは絶対に来るし、僕をからかう。
だから嫌だったんだ。
恨んでやる…友作くん、俺口硬いから安心しろって言ったのに…!
ちなみに友作くんとキルケー、お栄ちゃんにやめてあげなよと言ったらしいがこう返されたとか。
「マイを見てみろ、いじめたくなる顔してるだろ?ちょっかい出す度にかわいい反応するもんだから余計にだ。」
とのこと。
?
「はぁ…もうやだ。」
やっと休憩時間。
事務所の椅子に座り込むと、どっと疲れが押し寄せてきた。
なんだろう…ものの3時間なのに朝からフルでバイトしたくらいの疲れだ。
「はぁ…。」
2度目のため息。
これから先、どうしようかなぁと不安のため息だ。
だってお栄ちゃんにはバイト先バレちゃったし、絶対僕がバイトあるたび来るだろうし、そのたびにあれやこれやちょっかい出されてからかわれるだろうし。
もう僕の憩いの場は学校だけになっちゃうよ…。
「よっ。おつかれさん。」
「あ、先輩…。」
うなだれていると頭にぴとっと何か冷たいものを押し付けられる。
顔を上げてみればそこにはペットボトルを差し出す先輩の姿が。
「それで良かった?」
「あ、はい…ありがとうございます。」
隣に座り、自分の持っていたコーラの缶を開けて飲む先輩。
僕もいただいたミルクティーを一口飲んで乾いた喉を潤した。
「にしても少年、彼女がいるならいるで言ってくれよなー?」
「ああ…すいません。ってあの子は彼女じゃないですよ!!」
「前はよく仕事終わりのラーメン付き合ってくれたのに…最近付き合い悪いなーなんて思ってたらそういうことだったのか!謎は全て解けた!」
「だっ、だから違いますって!」
顎に手を当て、名探偵っぽく言っておどける先輩。
「いやーでも青春よのぉ。いいんだぜ少年。今ある限られた学生生活という時間。それは今しかないんだからうんと楽しんどけ!じゃないと死ぬほど後悔するぞ!」
と言い、背中をバンバン叩いてくる先輩。
先輩、と慕うこの人だが実は僕とそんなに歳は変わらない。
だってこの人、年齢は十八歳だ。
「死ぬほど後悔するって…先輩は?」
「あ、
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