バイトの話
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と。
お栄ちゃんのことだ、きっとあれこれして僕のバイト先を特定しようとするだろう。
だから僕は先手を打ち、2人にそう呼びかけた。
しかし2人がここに向かう最中、何故かお栄ちゃんと遭遇。
どうしてそこにお栄ちゃんが?と言いたいけどなんでも暇過ぎてキルケーに薬を作ってもらうためやって来たとか何とか。
そしてあれやこれや誤魔化すキルケーだけど、そこで友作くんはうっかり口を滑らせてしまったんだ。
「葛城んところに飯を食いに行く」
って。
「ご、ご注文は…」
そして今に至る。
正直に他の人に注文聞くのを変わってもらいたかったけど生憎みんな休憩中。
僕の休憩時間はもう少しあとなので、嫌で嫌で仕方がないけど聞きに行くことにした。
「俺とキルケーはいつもので。あ、俺だけ飯は大盛りで頼む。」
「いつもので…えーと…。」
このまま2人の注文だけ聞いて逃げ出してやろうかと思った。
でも、目が合った。
悪戯心に満ちたその視線と、いやでも目が合った。
「そちらのお客様は…」
「マイ。」
「え?」
「マイだ。お前さんが欲しい。」
「ふ、ふざけないでよ…。」
こんなところで何を言い出すんだと呆れながら、僕はもう一度聞き直す。
「ご注文は?」
「…。」
「え?」
何か言った。
しかし声が小さくて聞き取れない。
聞き直すもまた小さい声で言うので耳を近づけたら
「ふーっ?」
「んっあぁっ?」
息を吹きかけられた。
変な声を上げてしまい、もう少ないけれど周りのお客さん達の視線が僕に刺さりまくるのが分かる。
「おっ、お栄ちゃん!!」
「なんだい。」
「いい加減にして!僕怒るよ!!」
「マイが怒んのかい?おーこわいこわい」
お栄ちゃんはクスクスと笑い、大袈裟なリアクションをしながら僕をからかう。
僕はもう顔から火が出るくらい恥ずかしくてたまらないのに。
「おうい、まだ注文してねぇヨ?」
「お水ですね!!かしこまりました!!!!」(全ギレ)
頭に来たので2人分のメニューだけ聞いて戻る。
お栄ちゃんは腹が立ったのでお水だけにした。
で、
「葛城くん!?あれだれ!?あれマジで誰!?」
「結構仲良さげだったけど…少年もしかしてあの子彼女とか!?」
一部始終を厨房の小窓から覗いていた店長の野中さんと田所先輩からアレコレ聞かれた。
マスターとサーヴァント、という関係は明かせないためなんとか一応親戚の親戚みたいなもので今は訳あって同棲していると誤魔化した。
しかし、
「…?」
それからお栄ちゃんのからかいは続く。
手招きし、なんだろうと思い近付いてみれば
「んっ、むぅ!?」
ネクタイを引っ張り、こんなところだと言うのに
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