最終章:無限の可能性
第290話「イリスの本心」
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するつもりですか……!?」
「“領域”が消滅しようと、神が生き残る方法はある。僕がその生き証人だ」
「っ、まさか私を……!?」
人として転生させる事で、イリスを延命させる。
……それだけならば、イリスも優奈も慌てはしない。
「止めなさい優輝!それ以上……!」
「おいおい、そんな止める程か……?」
「帝は一旦黙ってて!」
驚きはしたものの、イリスと優奈以外は慌てていない。
二人にしかまだ気づけていないのだ。
「……覚悟の上だ」
「ッ……!」
その言葉に、イリスも優奈もそれ以上は止める事が出来なかった。
それだけの覚悟が、たった一言に籠められていたからだ。
「緋雪。“導王”は、なぜそう呼ばれるようになったと思う?」
「え……?それは……人々を導いて国を造ったから?」
唐突な問いに緋雪は戸惑いながらも答える。
その答えは、二人がムートとシュネーだった時から大々的に知られていたモノだ。
「確かにその一面もある。だが、その本質は導王の持つレアスキルにあった」
“可能性の性質”による光に、新たな力が注がれる。
「“道を示すもの”……」
「その通りだ」
今まで、存在はわかっていたが、効果が抽象的にしか分からなかったレアスキル。
それによる“力”が光に注がれたのだ。
「普段であれば、自身及び周囲に答えや道筋を示す抽象的な力を発揮するが……その力を極限まで高めれば、それを実体化させられる」
まるで神話にある神の奇跡のように、優輝とイリスが光に照らされていく。
その間にも、優輝の“力”は高まっていく。
「運命や因果すら捻じ曲げて人々を導く事が出来るレアスキル。それを持つからこそ、“導王”と呼ばれるようになったんだ」
「……今回は、それだけじゃないんでしょう?」
「当然だ」
今更導王の所以を知った所で、そこまで重要ではない。
“その先”こそが本命だとばかりに、優奈の問いに優輝は笑う。
「そこに“可能性の性質”を加えれば、神界の神にすら作用させられる」
「っ、まさか、その力で私を……!?」
「その通り。お前の“運命”を捻じ曲げる!」
極限まで高まったその力が、解放された。
光が降り注ぎ、イリスを包み込む。
「貴方は、本当にいつも……!」
「しばしの別れだ。積もる話は、その時にな……!」
―――“其は、可能性の道を示す導”
イリスを包み込んだ光は、そのまま飛び上がりどこかへ消えていった。
「……だから、“しばしの別
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