暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第290話「イリスの本心」
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
受けた世界の住人である貴方達には、その権利があります」

「………どうするの?お兄ちゃん」

 イリスに戦う意志はもうないとはいえ、何かしらの結末は必要だ。
 それをどうするべきか、最終的に優輝に委ねようと視線が集まる。

「どうもしない、と言うと少し語弊があるが……」

「……なるほど、気づいていましたか」

 力を抜くように目を瞑るイリス。
 その言葉がどういう意味なのか、今度はイリスに視線が集まった。

「お察しの通り、私の“領域”は既に限界を迎えています。一度も“領域”が砕けなかった事が却って仇となったのでしょう」

「お前の“領域”は消えてなくなる。砕けるのとは違う、完全な消失だ。……神界における“死”でもあるな」

 周囲がざわつく。
 トドメを刺すまでもなく消え去るというのは、最早罰を与えると言った話どころではなくなるからだ。

「……イリス、お前はどうしたい?」

「どうもしませんよ。この結果は私が招いた事です。大人しく受け入れて―――」

「そういう事を言っているんじゃない」

 それは飽くまで結果でしかないと、優輝はイリスの言葉を遮る。

「お前がどうしたいか聞いているんだ」

「どうしたい、なんて……今更、私にそんな……」

「お前の望みはなんだ!?イリス!」

 言い渋るイリスに、なおも優輝は問う。

「(……焦ってる?)」

 その時、近くにいた優奈が優輝を見て気づく。
 優輝が焦っているのだ。ここまで来て、何かに急かされるように。

「………、………」

「なんだ?」

「貴方と、ずっと一緒にいたい。そう言ったんですよ……!」

 顔を真っ赤にして、イリスは吐き出すように告白する。

「なんですか!ここに来て辱めが目的ですか……!」

 皆が見ている前で告白させられたのだ。
 イリスが羞恥に染まるのも無理はない。

「貴方への想いを自覚したのですから、貴方と共にいたいに決まってるじゃないですか……!ですけど、それはもう無理なんです……!」

「……このままであれば、な」

 優輝はそう言って、イリスに掌を向ける。

「今この場における代表として、僕が告げる。……イリス、お前への罰として、神界から追放とする。今一度人として転生し、自らの行いを顧みよ」

「ッ……!?」

 “可能性の性質”による力場が優輝とイリスを覆う。
 否、“性質”だけではない。優輝の持つ別の“ナニカ”をも消費している。

「優輝!?」

「お兄ちゃん、何を……!?」

 光のようなものが二人の下から吹き出る。
 明らかに何かしようとしているのは確実だ。
 だからこそ、優奈含め全員が驚愕する。

「貴方は……何を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ