最終章:無限の可能性
第290話「イリスの本心」
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受けた世界の住人である貴方達には、その権利があります」
「………どうするの?お兄ちゃん」
イリスに戦う意志はもうないとはいえ、何かしらの結末は必要だ。
それをどうするべきか、最終的に優輝に委ねようと視線が集まる。
「どうもしない、と言うと少し語弊があるが……」
「……なるほど、気づいていましたか」
力を抜くように目を瞑るイリス。
その言葉がどういう意味なのか、今度はイリスに視線が集まった。
「お察しの通り、私の“領域”は既に限界を迎えています。一度も“領域”が砕けなかった事が却って仇となったのでしょう」
「お前の“領域”は消えてなくなる。砕けるのとは違う、完全な消失だ。……神界における“死”でもあるな」
周囲がざわつく。
トドメを刺すまでもなく消え去るというのは、最早罰を与えると言った話どころではなくなるからだ。
「……イリス、お前はどうしたい?」
「どうもしませんよ。この結果は私が招いた事です。大人しく受け入れて―――」
「そういう事を言っているんじゃない」
それは飽くまで結果でしかないと、優輝はイリスの言葉を遮る。
「お前がどうしたいか聞いているんだ」
「どうしたい、なんて……今更、私にそんな……」
「お前の望みはなんだ!?イリス!」
言い渋るイリスに、なおも優輝は問う。
「(……焦ってる?)」
その時、近くにいた優奈が優輝を見て気づく。
優輝が焦っているのだ。ここまで来て、何かに急かされるように。
「………、………」
「なんだ?」
「貴方と、ずっと一緒にいたい。そう言ったんですよ……!」
顔を真っ赤にして、イリスは吐き出すように告白する。
「なんですか!ここに来て辱めが目的ですか……!」
皆が見ている前で告白させられたのだ。
イリスが羞恥に染まるのも無理はない。
「貴方への想いを自覚したのですから、貴方と共にいたいに決まってるじゃないですか……!ですけど、それはもう無理なんです……!」
「……このままであれば、な」
優輝はそう言って、イリスに掌を向ける。
「今この場における代表として、僕が告げる。……イリス、お前への罰として、神界から追放とする。今一度人として転生し、自らの行いを顧みよ」
「ッ……!?」
“可能性の性質”による力場が優輝とイリスを覆う。
否、“性質”だけではない。優輝の持つ別の“ナニカ”をも消費している。
「優輝!?」
「お兄ちゃん、何を……!?」
光のようなものが二人の下から吹き出る。
明らかに何かしようとしているのは確実だ。
だからこそ、優奈含め全員が驚愕する。
「貴方は……何を
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