暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第290話「イリスの本心」
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
する。

「(……やはり、“領域”を酷使していたか)」

 元々神だったからこそ、優輝には視えていた。
 今のイリスがどんな状況なのか。

「それで、どうするつもりなの?」

 当然、半身とも言える優奈もそれはわかっている。
 その上でどうするつもりなのかを、優輝に問う。

「出たとこ勝負だ」

「……は?」

 はぐらかしたのか、本気なのか。
 どっちであろうと、優奈はその言葉に呆れた。

「お兄ちゃん!」

 そんな優輝達の下へ、少し離れていた緋雪達も合流する。
 見れば、フェイトやアリサも追いついてきたのか合流していた。

「イリスは……」

「まだ生きている。それに、もう目を覚ましているんだろう?」

 倒れているイリスに、優輝はそう声を掛けた。
 同時に、その言葉を聞いて優輝と優奈以外の全員が戦闘態勢を取る。

「……そんな、構えなくてもいいですよ」

「随分と憑き物が落ちたような顔つきになったな」

「少し、“領域”の内でもう一人の私と話しましたから」

 倒れたままの体勢で、イリスは優輝と会話する。

「今度はちゃんと受け入れたか」

「あそこまで打ちのめされたら、嫌でも受け入れますよ」

「それは重畳。今後は、人間らしい感情で世界を巻き込まないようにな」

 先ほどまでの戦いは何だったのかと言わんばかりに、落ち着いた会話だ。
 その様子に、緋雪達もどこか茫然としていた。

「……いつから、気づいていましたか?」

「僕に対する感情にか?」

「はい」

「……お前、あれで気づかれないと思っていたのか?」

 優輝の呆れたような言葉に、イリスは“ふいっ”と顔を逸らす。
 思い返せばかなりあからさまだったのが自分でもわかったからだ。

「まぁ、確信したのは僕を洗脳した時だ。あの時のお前は本心を少し曝け出していたからな。それまでは、別の感情が入り混じっていたから、半信半疑だった」

「……思えば、あれも少し恥ずかしいですね……」

 洗脳する際に優輝に行った事を思い出し、イリスは赤面する。
 それを見て、緋雪や司などが密かに色めき立つ。

「優輝君、一体何が……」

「あー、司、聞くのは後ね?」

 思わず尋ねる司だが、話の流れを切らないように優奈がそれを制する。

「本当に、さっきまでとはまるで別人だな……」

「……単に、神として在ろうとするのを止めただけですよ」

 帝の呟きにも、イリスは律儀に答える。
 先ほどまでの狂気的な面影はもうない。
 今のイリスは、非常に穏やかだった。

「それで、貴方達は私をどうしますか?どのような形であれ、それは私への罰であり、贖罪となります。特に被害を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ