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レーヴァティン
第百九十九話 関東の政その三

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「箱根等があるしな」
「そうね、けれど」
「東北からは違う」
「そこが厄介よね」
「備えは置く必要があるな」
「じゃあ国境に確かな城を築いて」 
 奈央はすぐに対策を出した。
「そうして」
「そこに兵を置いてだ」
「多くの鉄砲も置くわね」
「そうしたい、まだ攻めないが」
「守りは必要ね」
「攻めないが攻められるつもりもない」
 一切とだ、英雄は言い切った。
「だからだ」
「それじゃあね」
「常陸と下野の北に城を築く」
 東北とのそこにというのだ。
「すぐにな」
「そうするわね」
「そして守りを固める」
「じゃあ人も集めて」
「そうする、そして水戸城等にもな」
 常陸そして下野の主な城にもというのだ、言うまでもなくこうした城の周りには見事な城下町が栄えている。
「多くの兵に武具をだ」
「入れておくわね」
「そうすればな」
「若し攻めてきても」
「対することが出来る」
「だから置いておくわね」
「備えがあってこそだ」
 まさにというのだ。
「守れる、備えがないとな」
「どうにもならないわね」
「そうだ、守りも整えてこそ万全に治められる」
「それも事実ね」
「だからそうしておく」
 備えも整えておくというのだ、守りのそれを。
「しっかりとな」
「それじゃあそっちもして」
「今は治める、そしてこの常陸ではだ」
 英雄はさらに話した。
「米以外にもな」
「他のものも作らせていくわね」
「多くのものをな、納豆もな」
 これもというのだ。
「作らせてだ」
「民には儲けてもらうわね」
「それが国を豊かにもするしな」
 民が豊かになればその民が支える国もというのだ。
「今以上にな」
「納豆も作らせるわね」
「そうする、しかし納豆はな」
 英雄は納豆についてさらに言った。
「俺は最初は嫌いだった」
「匂いと糸でよね」
「子供の頃はじめて見た時は臭いしだ」
「糸を引いていて」
「食えるのかと思った、だが」
「いざ食べてみると」
「これが実に美味い」 
 こう言うのだった。
「だから今はな」
「普通に食べているわね」
「納豆な、それがしも最初はあかんかった」
 耕平も言うことだった。
「ほんま匂いと糸がな」
「駄目だな」
「うちの祖父ちゃん今も食わんわ」
「そうか」
「昔の関西の人やからな」
 それでというのだ。
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