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レーヴァティン
第百九十九話 関東の政その一
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               第百九十九話  関東の政
 英雄は仲間達と共に関東全体の政にかかった、度量衡に貨幣を西国と全く同じにしそして道もだった。
 西国と同じにした、そうしたことを進めつつ田畑や街を整えていったが彼は江戸城の天守閣の最上階から江戸の街を観つつ言った。
「旅の時も思ったが」
「治めるとさらにでござるな」
 智が応えた。
「西国と東国は違うでござるな」
「同じ浮島にあってもな」
「それでもでござる」
「まるで別の国だ」
「そうでござるな」
「言葉は同じだが」
 ただし方言の違いはある、同じ言葉でもどうしてもそうしたものが出るのだ。
「しかしだ」
「それでもでござるな」
「度量衡や貨幣が違うとな」
「別の国でござるな」
「道の幅もだ、何でもこの世界は元々言葉が同じでだ」 
 それでというのだ。
「度量衡も貨幣もだ」
「同じだったそうでござるな」
「世界全体がな」
「しかしその世界の殆どが海に沈み」
「石にされたうえでな」
「そうなり世界は二つの浮島だけになると」
「昔の貨幣が復活した地域もあり」
 そしてというのだ。
「度量衡等もでだ」
「この浮島の東国がそれでござるな」
「そうだな、だがそれはだ」
「戻すでござるな」
「そうしたものが別だとな」
 そうした状況ではというのだ。
「国は一つになれない」
「そうでござるな」
「長い間俺達の起きた世界の日本でもそうだったな」
「西国と東国はでござる」 
 箱根を境としてというのだ。
「同じ日本といっても」
「別だったでござるな」
「そうだった」
 まさにというのだ。
「今思うとな」
「治めて実感するでござるな」
「起きた世界のこともな」
「東国は蝦夷といったのう」
 当季が言ってきた。
「そうじゃったのう」
「かつてはな」
「朝廷が軍を送って平定してじゃ」
「そのうえで日本に組み入れたが」
「それでもぜよ」
「まさに別の国だった」
「前九年の乱もあったぜよ」
 当季は平安時代の戦乱の話もした。
「後三年もぜよ」
「そうだったな」
「それで平泉には藤原氏が出てじゃ」
 俗に言う奥州藤原氏である。
「独立政権になっちょったぜよ」
「三代に渡ってな」
「そして幕府も開かれたのう」
「鎌倉幕府だな」
「そうじゃ、それで東西に政権が出来たぜよ」 
 西の朝廷に東の幕府だ、鎌倉幕府はあったがそれでも西国はかなりの部分朝廷の権力があったままであったのだ。
「そうなってたぜよ」
「そして室町幕府でもな」
「鎌倉公方を置いてのう」
 そしてだったのだ。
「東西は別じゃった」
「室町の幕府は西国を治めていたが」
「東国は鎌倉公方じゃった」
「東西二重政府だったな」
 これが
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