最終章:無限の可能性
第289話「無限の可能性」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なっ……!?」
「逃がさないわ!!」
―――“?κρηξη Dynamis”
ダメージ覚悟で一歩踏み込み、理力をありったけ圧縮する。
何をするか察したイリスが転移で逃げようとするが、それを“意志”で阻止する。
そして、圧縮した理力を叩き込み、爆発を引き起こした。
「っづ………!」
「優奈!」
「まだ戦えるわ。……それと、削ったけどまだやるわよ、イリスは」
爆発を受けながらも飛び退いた優奈を帝が心配する。
その心配を受けながらも、優奈はまだ終わっていないと前を睨む。
「……この状況がお望みだったのかしら?優輝」
「……まあな」
「え……?」
ここまで想定通りと言わんばかりの言葉に、聞いていた緋雪だけでなく、全員がどういう事なのか二人に注目する。
「言っただろう?“ただ倒すだけじゃダメだ”と」
「……一体、どうするつもりなの?」
司が代表して核心を尋ねる。
裏を返せば、倒す以外にやるべき事があるという事だ。
それを行わない限り意味がないのであれば、聞かざるを得ない。
「イリスに受け入れさせるしかない。本当の自分を、本当の心を」
「……そのために、もう一人のイリスを残したのね」
「ああ」
“もう一人のイリス”と聞いて思い浮かんだのは、優輝の洗脳を解く際に桃子の姿を借りて現れたイリスの“領域”の欠片だ。
だが、彼女は消えたはずだと緋雪は思い、尋ねる。
「あの時消えたんじゃ……?」
「人格や自我となる、残り滓のようなモノがまだ残っている。元々は一つの“領域”だったんだ。それが簡単に消える訳じゃない」
実際、今も優輝の中で眠っている。
今起きている事も、なんとなくだが知覚しているだろう。
「欠片となったイリスを、本体のイリスへ戻す。同時に、僕らの“意志”を叩き込めば、イリスもさすがに自覚するだろう」
「最後の最後で賭けって訳ね」
「そこから先は僕らの“性質”すら与り知らない所だな。強いて言えば、イリス次第とでもいうべきか」
まさかの大博打に、思わず全員が愕然とする。
しかし、だからこそ勝ち取るべきだと、すぐさま気持ちを切り替えた。
「後は叩き込むまでの道筋を作るだけだ。来るぞ!」
「ッ!!」
イリスも体勢を立て直していたのか、“闇”の触手が鋭さを取り戻し、さらには“闇”の極光を交えて全員に襲い掛かってくる。
「はぁっ!!」
攻撃を避け、緋雪が斬りかかる。
その攻撃は圧縮された“闇”で防がれ、さらにイリスは転移する。
「っ……!」
転移直後に“闇”の刃を薙ぎ払い、それを神夜と奏が跳んで避ける。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ