最終章:無限の可能性
第289話「無限の可能性」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はぁっ!!」
しかし、転移によってそれも避けられる。
それどころか、転移直後に触手が振るわれ、優輝と帝以外が避け切れずに薙ぎ払われ、さらには“闇”による閃光が間合いを離していた緋雪を射抜いた。
「ッ!?」
直後、イリスは半身を逸らす。
同時に、胸の上を僅かに切り裂かれた。
「あたしが吸血鬼なの、知らなかった?」
「蝙蝠になって隠れていましたか……!」
先ほど切り裂かれた葵が、蝙蝠へ姿を変えて反撃に出たのだ。
尤も、蝙蝠状態では大した攻撃が出来ないため、人型に戻る必要があった。
それによってイリスに感づかれ、僅かに切り裂くに留まったのだ。
「っ……!」
さらに、強力な魔力弾が連続で触手に命中する。
見れば、エラトマの箱の対処をしていたはずの司が魔力弾を放っていた。
「私もただの人間じゃないんだよね」
そう言ったのは緋雪だ。
先ほど閃光に射抜かれた緋雪は分身によるデコイだったのだ。
本物の緋雪は認識阻害魔法で気配を消しつつ、エラトマの箱に“破壊の瞳”を使用し、司の手助けをしていた。
「出し惜しみはなし。数の差を生かさせてもらうよ!」
再び緋雪は分身魔法を使用し、三体の分身を繰り出す。
本来なら魔力か体力を代償にしなければ大した強さがない分身だが、そこは“意志”で補う事でカバーする。
「向こうも全力だね……」
それを援護するように、司が“祈り”による魔力弾を連発する。
だが、その全てが触手で相殺されている。
「ッ!!」
その時、イリスの全方位から斬撃が繰り出された。
しかし、全て障壁で防がれてしまう。
「分身は、緋雪だけの技じゃないわ」
「っ……なんて鬱陶しい……!」
攻撃したのは奏の分身だ。
緋雪の分身と連携を取り、玉砕前提で物量による攻勢を見せていた。
「くっ……!」
それでも押し切る事は出来ない。
イリスも対応し、司の魔力弾には“闇”による弾幕を、緋雪と奏の分身には触手を割り当て、的確に対処していた。
さらに、葵や優輝の攻撃も触手で受け止め、決して肉薄させない。
「ッ、お、おおッ!!」
帝や神夜に対しては、引き付けた上で極光を放ち、上手く動きを誘導していた。
「司!」
「うん!」
―――“Pri?re sanctuaire”
“闇”を振りまくような立ち回りに、優輝は感づいて司に指示を出す。
司もイリスが何をするつもりなのか察し、“闇”に対する防壁を築く。
―――“?κρηξη σκοτ?δι”
「気づきますか……!」
“闇”
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ