『ふたつの月』
[8]前話 [2]次話
生まれたての儚い命。
ゆらゆら揺れる命の塊。
指先で潰せるちっぽけな命。
そぉっと護ってるかの如く優しく微笑む水面の月。
穢くなって生きる価値の無い僕には、鋭く刺すかの如く冷たい昊の月。
常に睨まれてるように感じる。
あの日から太陽も月も星も...変わってしまった。
勝手に、どんな時も変わらず見守ってくれてると思ってた。
味方が居ないから、そう思うことでしか生きれなかった。
自然だけが味方だと思ってたけど、違った。
味方なんてのは存在しない。
感情を持たないものですら味方にはならない。
いつもの海。
水面で揺らぐ月は僕を罵る。
昊で蒼白く耀く月は僕の心臓を抉り出そうとする。
いつも味方だったふたつの月は、私に追い撃ちをかけた。
中身の違う僕が今の僕を壊したんだ。
そして僕は生まれ変わった。
イタミを何も感じない僕に。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ