最終章:無限の可能性
第288話「人と神」
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司が詠唱し、プリエール・グレーヌが輝く。
まさに全ての力を使い果たさんとばかりに、その輝きは強くなる。
「想いを束ね、祈りを束ねる!撃ち貫け!!」
そして、輝きは一つに集束し、巨大な魔法陣を展開する。
「くっ……!」
「させない!!」
イリスが転移で回避しようとする。
だが、遅い。最初から動き続ければ、その行動を読まれる事はなかった。
「転移が……!?」
「全員の“意志”を集中させれば、転移を防ぐだけなら可能だ!」
防御及び牽制を捨て、優輝達は一斉に“意志”による力をイリスに差し向けた。
六人の“意志”で出来たのは、それでも回避行動の阻止だけだ。
当然、無防備になった六人は、そのままイリスの攻撃に呑まれる。
……尤も、既に詰めの手は準備完了だった。
「“夢幻に届け、超克の祈り”!!」
“祈り”の極光が、全力を超えて司から放たれる。
先ほどの不意打ちよりもより強力なため、イリスの“闇”を真っ向から祓う。
「ッ、ぁああああああああああああああああああああああッ!!!」
“意志”をさらに叩き込み、司の極光がイリスの“闇”を呑み込んだ。
「ッ……まだです!!」
「煌めけ流星!!」
―――“?toile filante”
散らばった“闇”が司を襲う。
だが、司も負けじと最後の力を振り絞り、大量の魔力弾で相殺した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
合計、僅か三回の攻撃。
されど、三回の内後半二回は限界まで“祈り”を籠めていた。
プリエール・グレーヌも力を使い果たし、輝きを失う程に。
「っ……!」
それと引き換えに、イリスの“闇”を一気に祓った。
そう思った瞬間に、イリスが転移と共に司に肉薄してきた。
咄嗟の事に司は何とか防御を間に合わせるも、防ぎきれない。
「ふッ!!」
「ッ……!」
そこへ、優輝が代わりに受けた。
導王流で攻撃を受け流し、カウンターを叩き込む。
そのカウンターは障壁で受け止められ、イリスも転移で逃げたが、何とか凌いだ。
「ありがとう」
「こっちこそ。司が来なければジリ貧だった」
周囲一帯は、戦闘開始時とは全く違う状態だった。
あれほど“闇”に満たされたフィールドは、今やそんな面影もない。
戦場を隔絶するのは完全に“意志”のみとなり、外部からの干渉も最初よりかなり簡単になっているだろう。
「戦場の“闇”を自身に集約させた。……それだけの力を、イリスはまだ持っている。大半は司が祓ってくれたけど、今も全員で掛からなきゃ敵わないだろう」
代わりに、
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