最終章:無限の可能性
第288話「人と神」
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
削る算段だ。
「(あり得ない。順調過ぎる)」
だが、それはおかしいと優輝は心の中で断じる。
見れば、ミエラの経験から奏もどこかおかしいと感じているようだ。
「っ―――!」
直後、風が吹き荒れるように、“闇”がイリスへ集まっていく。
「どこから……いや!」
“闇”の出所を探ろうとして、すぐにそれを見つける。
「……私も、“闇”の回復手段は持っていますよ?」
「……だろうな……!」
それはフィールドそのものだった。
最初に満たした“闇”や、戦場を隔絶する“意志”の結界から“闇”を得たのだ。
それによって、戦力差は大きく開いてしまった。
「ッ、避けろ!!」
優輝が叫ぶ。
直後、“闇”がうねり全員を薙ぎ払った。
素早く反応出来た優輝達は避けられたが、そうではない神夜と葵は被弾してしまう。
「がはっ!?」
「ぁぐっ……!」
「二人共!」
「余所見するな緋雪!!」
その事に緋雪が反応してしまい、そこをイリスに狙われた。
「ッッ!!」
振るわれる“闇”の鉄槌に、緋雪は大剣で抵抗する。
しかし、緋雪の力を以ってしても、ギリギリ耐えられる程度だった。
当然、“闇”は一撃だけでは終わらない。
防いだ所を薙ぎ払われ、先の二人と同じように吹き飛ばされる。
「ちぃッ!」
「無理はするなよ!」
咄嗟に帝が前に出る。
帝であれば、多少はイリスの攻撃とも殴り合える。
その間に優輝と奏で“闇”を削らなければならないが……
「(一手遅いか!)」
戦えるとはいえ、抑えられる訳ではない。
帝を狙ったもの以外の攻撃が二人に迫り、その対処に追われる。
「(このままだと帝もやられる。その前に手を……)」
導王流とガードスキルをそれぞれ使う事で、直撃は避けている。
それでも、時間の問題だ。
帝が一度でも吹き飛ばされれば、戦況は変わる。
その前に手を打つ必要があった。
「ッ、この程度では意味ないか……!」
“意志”を圧縮し、槍として回避と同時に“闇”に突き刺す。
しかし、それでは蚊に刺された程度でしかないだろう。
「(緋雪達は……ダメか!)」
一度吹き飛ばされた緋雪達は、その上からさらに“闇”を叩きつけられていた。
洗脳の効果はないようだが、それでも身動きは出来ないようだった。
「(となると……)」
帝も防御の上からのダメージが蓄積してきた。
もう間もなく直撃を食らうだろう。
「討ち祓え、極光!!」
―――“|Sacr? lueur de s?toiles《サクレ・リュエール・デ・ゼトワー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ