最終章:無限の可能性
第288話「人と神」
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籠められ、見るからに貫通力に特化している。
そのため、イリスは障壁で受け止めずに不定形の武器で対抗した。
“闇”を圧縮した武器をさらに圧縮、集束させ、矛先同士がぶつかり合う。
「吹き飛びなさい!」
「ッ……!」
同時に、帝の攻撃を多重障壁で受け止め、即座に障壁を変質。
司が使う拒絶の“祈り”のように、吹き飛ばすエネルギーとなる。
魔法でいうバリアバーストの完全上位互換のソレに、帝は吹き飛ばされる。
「くっ……!」
奏が食らいつくも、その反撃方法を得たイリスに攻めあぐねる。
攻撃の溜めをする余裕もないため、防御も貫けない。
「はぁあああっ!!」
そこを、緋雪が補う。
遠距離からの“破壊の瞳”でもいいのだが、イリスも対策していた。
“闇”を用いて、物理的ではなく“破壊の瞳”特化の防御が展開されていた。
これがある限り、緋雪の“破壊の瞳”は通らない。
その分イリスも“闇”を割かなければならないが、攻撃手段が限られるのは痛い。
「っ……!(通らない!)」
イリスは特別武闘派ではない。
単純な斬り合いであれば、力押しの多い緋雪や帝にすら技術で劣るだろう。
だが、障壁を用いればその限りではない。
戦闘技術が向上した今ならば、防御を集中させる事で的確に攻撃を防ぐ。
故に、緋雪や帝の攻撃ですら簡単には通らない。
「(埒が明かないか。なら……!)」
膠着状態になる前に、優輝が流れを変える。
触手を神夜に任せ、自らも切り込んだ。
「ふッ……!!」
理力は使えなくなっても、“意志”がある。
その“意志”によって、優輝はイリスの障壁をドリルのように削る。
「貴方らしからぬやり方ですね……!」
またもや障壁が変質する。
先ほど帝を吹き飛ばしたモノだろう。
奏と緋雪も葵が抑えきれなかった武器の攻撃で退けられ、援護は望めない。
「いいや、いつも通りだ」
だが、優輝には導王流がある。
不可視の衝撃だろうと、方向性のある攻撃である限り、導王流は適用出来る。
「ぐっ!?」
衝撃によって優輝の右肩が吹き飛ぶ。
しかし、優輝はその反動を利用して体を捻り、蹴りから“意志”の斬撃を放つ。
障壁は変質させたがために、そこに防がれるモノはない。
イリスは辛うじて直撃を避けたものの、優輝と同じく右肩が切り裂かれる。
「ッッ!!」
「くっ……!」
直後、イリスは“闇”を爆発させる。
一度間合いを離し、体勢を立て直すつもりだ。
「ッ―――!」
無論、それを黙って待っている優輝達ではない。
間合いを取るための咄嗟の行動であれば、他の行動は意識外だ。
つまり
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