第三章
[8]前話
「その前にいつも仕事してくれているから」
「うちの打線はですか」
「かなりいいのよ、だから頑張っていってね」
「わかりました」
遥はすずこの言葉に頷いた、それからは四番がどうとか三番は落ちるとか思わなくなって言うこともなかった、そうして。
三番バッターとして活躍していった、その中で愛生は遥に試合前にベンチで話した。
「私五番でしょ」
「ええ、五番ファーストね」
「五番は五番でね」
「大事よね」
「四番の後でしょ」
「由衣さんのね」
「由衣さんが打てなかったり打った後でね」
そうした時にというのだ。
「打つのが仕事でしょ」
「つまり四番が駄目だったりしね、駄目押しとかで」
「そうして打つけれど」
それでもというのだ。
「それだけに四番程じゃなくても」
「やっぱり確かに打たないとね」
「そう、相手にプレッシャー与えないと」
そうでなければというのだ。
「駄目だから」
「それでよね」
「そう、私もね」
五番もというのだ。
「打たないと駄目だから」
「頑張ってるのね」
「うん、私も毎日部活の練習以外にね」
「練習してるのね」
「素振りしてるよ」
そうしているというのだ。
「千回はね」
「千回って私と一緒じゃない」
「遥ちゃんもそれだけ振ってるのね」
「ええ、しっかりと打たないと」
三番としてというのだ。
「駄目だから」
「それでよね」
「そう、それで愛生ちゃんもなのね」
「そうね、じゃあ今日の試合も」
「ええ、三番と五番でね」
「お互い頑張ろうね」
「そうしていきましょう」
二人で笑顔で話してだった。
二人は試合に出た、そうしてそれぞれの仕事をしてチームの勝利に貢献した。もう遥の顔に四番に対するやっかみめいた感情も三番に対するコンプレックスもなかった。ただ三番としての誇りがあった。
三番バッター 完
2021・1・14
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