『罅割れ』
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あんなに綺麗だったのに、ほんの僅かな罅が入った。
其処からはもう真っ黒になってくだけだった。
拡がった血の海に何も成す術は無くて。
己の愚かさと醜さが憎たらしい。
亀裂走ったらもう雷堕ちて燃え尽きるだけなんて、初めから無かったみたいになるなんて、酷いね。
もう喋れない。もう冷たい。もう還らない。もうなくなった。もう二度と元には戻らない。
永遠の別れは急にくるんだ。そんなことに慣れることは無い。
大事だったから。
愛しい存在だったから。
失いたくなかったから。
いつか言ってたね、お互い死んでも行き先は地獄だからまた会えるねって。
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