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俺様勇者と武闘家日記
第1部
ポルトガ〜バハラタ
シーラの決意
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「えっと……、ちょっと待って。てことは、二人だけでダーマに行くってこと?」
 私はシーラの言葉に衝撃を受けながらも、俄には信じられず、すぐに聞き返した。
「うん。さっきナギちんとも話したけど、早くポルトガの王様に黒胡椒を持っていってあげないと、船が手に入らないでしょ? だったら、ここで一度二手に分かれた方がいいと思うの」
「いや、確かにそうだけど……でも!」
「確かにバハラタからダーマまではここからそう遠くない場所にある。だが、なぜ今行く必要がある?」
 ユウリのもっともな意見に、シーラは決意を秘めた表情で答える。
「もうあたし、誰かに助けられるだけの存在になりたくない。僧侶の修行を中途半端に投げ出した自分にケリをつけたいの」
「……」
 ユウリはそれ以上何も言わなかった。
「守られてる自分が嫌なのはわかるよ? でも、だったら、みんなでダーマに行けばいいじゃない?」
 私は何とかシーラが思いとどまることを願い、別の提案をした。
 けれど、シーラはゆっくりと首を振った。
「あたしもできるならみんなと行きたい。でも、あたし一人のわがままで皆に迷惑かけられないよ。それにこの先、街を封鎖するのはポルトガだけじゃなくなると思うの」
「どういうこと?」
「……なるほどな。ポルトガの大臣が言っていたな。どこかの国に、魔物が潜入していると」
「今はそんなに騒がれてないけど、いずれその噂はほかの国にも広がるんじゃないかな。そうしたら、その噂を聞いたほかの国は危機感を持って都市を封鎖して、ポルトガと同じように簡単に出入りできなくするかもしれない」
 いつものシーラらしからぬ発言に、私は舌を巻いた。
 ユウリも顔には出さないが、横目で見る限り、少なからず驚いているように見える。
「だから、船は一刻も早く手に入れたほうがいい。あたしなんかに時間を取られてる場合じゃないよ」
「でも……」
 私の言葉を遮り、隣でため息をつく音が聞こえた。
「……わかった」
「!!」
「え!?」
 私とシーラ、二人の視線が勇者に注目する。
「魔王討伐のために役に立とうとしているのなら、止めはしない。こっちとしても、呪文が使えるやつがいたほうが助かるからな」
「ホント!?」
「ユウリ!?」
「その代わり、戻ってきたらちゃんと戦えよ。足手まといは俺のパーティーには必要ないからな」
「うん!! もちろん!! 頑張ってユウリちゃんの役に立てるように強くなって帰ってくるから!!」
 そういうと二人は、何事もなかったかのように再び料理を食べ始めた。
 え? 本当に二人だけでダーマに行っちゃうの? 
 なんだか私だけ一人取り残されたような気分がして、居心地が悪くなった。
「……ごちそうさま」
 これ以上食べる気分になれず、私は早々に食事を切り上げ
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