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俺様勇者と武闘家日記
第1部
ポルトガ〜バハラタ
シーラの決意
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かったら、そこのバカザル共々置いてくからな」
 部屋の奥からユウリがやって来たかと思うと、いきなりとんでもない条件を言い渡した。
「うん、わかった! ユウリちゃんがビックリするくらい、強くなって戻ってくるから!」
 そう言って、ピースサインを見せるシーラ。
「おいおい、本当に大丈夫か? オレたちここに置き去りにされるかもしれねえぞ?」
「大丈夫だよ♪ そのくらい条件つけてくれた方がすごーくやる気でるから!」
 どうやら彼女は逆境に強いらしい。ナギもその自信に満ちた言葉に安堵したようだ。
「じゃあ、早速俺たちは明日の朝ポルトガに発つ。もしかしたらカンダタがまた企んでくるかもしれないから、しばらく用心しとけ」
「オッケー☆」
「言われなくても、わかってるよ」
 ユウリの言葉に頷いた二人は、明日の準備をしに各々部屋へと向かった。
 と、今度は取り残された私にユウリは向き直る。そして、
「お前も、今までみたいにボケっとするなよ。足手まといが三人から一人になったとはいえ、戦力差の大半は人数によるものだからな」
 そう睨み付けながら念を押してくれた。
 ナギじゃないけど、そんなことわかってる。これからは二人で旅を続けなきゃならないんだ。今以上に強くならないと……。
 って、あれ? 二人ってことは、ユウリの嫌味や愚痴の矛先が、全部私に来るってこと?
 ……早く半年後になってほしい、そう思わずにはいられなかった。



 翌朝。久々にベッドの上で寝られたからか、これ以上ないくらいスッキリした目覚めだった。
 タニアが作ってくれた朝食をお腹いっぱい食べたあと、ユウリに急かされ大急ぎで旅支度を整える。
「早くしろ鈍足。モタモタしてたら昼になるぞ」
 玄関の外に立って私を待つユウリ。そうは言うけど、またお城に行くなら少しは身綺麗にしないと、結局注意するじゃない。声には出さず、心の中で文句を言いまくる私。
「ミオちん、腕輪忘れてるよ」
「あっ、そうだった!」
 玄関先でシーラが持っている星降る腕輪を受けとると、急いで手首にはめた。
「忘れ物はもうないか?」
「うん、大丈夫」
 鞄の中身を確認し終えると、タニアとマーリーさんが奥からやってきた。
「皆さん、本当にありがとう。あなたたちのおかげで家族やグプタと離ればなれにならずに済んだわ」
「いえ、こちらこそ、黒胡椒を分けてくれてありがとうございます」
 ちなみにポルトガに持っていく分の黒胡椒の代金は、あとでポルトガに雇われた冒険者が私に来るらしい。大臣から渡された例の書状は、商品を受けとるときに必要な書類だったようで、それをマーリーさんに渡すと、今度はタニアがユウリに別の書類を渡した。
「それをポルトガの方に渡してほしいの。いつもは買いに来てくれる冒険者の方に渡してるん
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