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とある地球外生命体が感情を知るまで
6 しょうがくせいとしょうがっこう
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『さびしい』のルーツを少しだけ理解……出来はしたが、感情というものはそんなに単純ではないということは知っているため、勉強は続けなくてはならないと決意して日々を過ごしている。

 だが正直不可能に近いと思っていた感情への理解が一部であれ出来たことは良いこと。これはつまり、時間さえかければ完全に理解出来る日はやってくるというわけだ。そう考えれば勉強の意欲というのもわくものだ。

 ……とまぁ、それはともかくとして、今日は久しぶりになのはと遊べる日。今日は一体どんなことをするのだろうか。どんな遊びでも勉強になるからなのはにその辺りは任せるとしよう。

 と、思っていたのだが……なのはは私と『こうえん』で会うやいなや急に複雑な顔をし始めた。感情は……何だろう? 分からない。一つ……ではなさそうだが……

「……あのね、あおいちゃん……もうすぐね、わたし小学生になるんだ」

「しょうがくせい」

『しょうがくせい』……? なる、ということは称号か何かだろうか。

「だから……その準備もあるから……これから毎日は遊べなくなるかもしれないの」

「……!」

 なのはとの遊びが消える……? ふむ、これは危ういぞ。まだ感情というのは完全にはっきりしてない。

 それに遊びというのは『おともだち』でないと一緒に出来ないと聞いた。私は『おともだち』のなり方は知らない。なのはとは向こうから誘ってきてくれたからそれに乗っかってきただけ。自分からは何もしてないわけだからどうやるのか知らないというわけだ。

 ……何故だろう。少し、胸が痛い。改めて実感するが、これが『さびしい』なのか……

「……遊べなくなる?」

「うん……あ、でも暇が出来たら遊べるの! というか出来るだけ暇を作るというか。遊べるようにするというか、あおいちゃんと会えなくなるのはやだというか……」

「……?」

「と、とにかく! 遊べる時間が少なくなる……ってことなんだけど……えっと……その……」

 目をあちらにやったりそちらにやったりとキョロキョロさせているなのは。どうしたのだろうか...?

「あ、あおいちゃん……」

「……なに?」

「長く遊べなくなるけれど……わたしと……なのはと……」

 視線がくるくるしていたなのはが目付きをはっきりこちらに向け、軽く頷いて続けた。



「『おともだち』で……いてくれる?」



 その問いに私は疑問に思ってこう答えた。


「……なんで?」







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 わたしの問いに対し首をかしげて心底不思議そうに問い返してきたあおいちゃんを見て、わたしは全身が凍え始めるのを感じた。
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