裏1 なのは
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友達になってくれた。でも友達というものを知らなかったらしい。
更に名前も無いと言っていた。そして名付けてほしいとも。
突然のことでびっくりしたけど、名前はなんとか付けることが出来た。目の色が青くてキレイだったから『あおい』ちゃん。闇雲につけちゃったけど、しっくり来てる名前だと思う。
その日帰ってからまた一人でいるときも、ずっとあおいちゃんのことを考えてた。
また明日いっしょに遊べるかな。何をして遊ぼうかな。あおいちゃんと早くお話がしたいな。楽しみだな。なんてそんな事を。
一人じゃさびしいから、とりあえずテレビを付けてご飯を食べてた時、ふとあるニュースが目に入った。
捨て子問題。
内容は、自分の子供を捨てた女の人が逮捕されたというもの。さらに、その女の人は虐待もしていたというのだ。
何で自分の子供なのに捨てちゃったり虐待しちゃったりするんだろう。全く分かんないや。そう考えてた時、あおいちゃんのことが頭をよぎった。
すごくボロボロだった服のこと。手入れしてないであろう髪のこと。所々に痣があったこと。公園に裸足だったこと。友達を知らなかったり、名前が無かったりしたこと。そういえば何か臭っていたこと。そして……全く変わらなかった表情のこと。
その全てがやってたニュースへと繋がってしまい、ある結論に行ってしまった。
──あおいちゃんは、虐待された捨て子なの?
考えれば考えるほどそうとしか思えなくなってきていた。
服はないから着回してるから。髪は手入れ出来なかったから。痣は虐待の跡だから。裸足なのは靴がないから。友達を知らなかったのは触れる機会すら無かったから。名前が無かったのは名乗ることを許されなかったから。臭ってたのはそういう扱いを受けてたから。無表情なのは……虐待されて表情を消し去ってしまったから。
一瞬、あおいちゃんがそういう扱いをされていた事を想像してしまい、ご飯を吐いてしまった。なんとかトイレで吐くことは出来たけど。
その後、無性にあおいちゃんに会いたくなった。理由は分かんないけど、ただ会いたくなった。
でも家では良い子のわたしはそうすることは出来ない。わたしは無力な自分に怒りを感じつつ、眠りにつくことした。
明日から毎日公園に行こう。そしてあおいちゃんに会わないと。そう決意しながら。
──────────────────────
次の日、わたしはいつもより少しだけ早く家を出て公園に向かった。とにかくあおいちゃんに会いたかったから。待ちきれなかったから。
少し早足になりながら公園に急ぐ。もしかしたら、もう来てるかもしれないと思ったから。
公園にたどり着いた時
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