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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第287話「佳境」
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そこにいた。

「っ……今更、そっちにつく訳!?」

「おうとも。俺が見たかったモノは見た訳だからな。……それに、先ほど言った通り、今のお前は見苦しい」

 そう言って構える“死闘の性質”の神。
 敵だったはずの神が味方している事に、なのは達は状況を呑み込めずにいた。

「確か、帝君が相手していたはず……」

「ああ。そして負けた。……尤も、“領域”は砕かれずにいたがな」

 なのはの呟きに、神はそう返答する。

「往け。奴と戦えど、邪魔の阻止までは出来ん。チャンスは一度だ」

「っ……皆!」

 続けられた言葉に、ハッとする。
 いくら強くても、レイアーは“可能性の性質”だ。
 イリスを倒しに行こうとするなのは達の邪魔は可能だ。
 だからこそ、すぐさまなのはは皆に呼びかける。

「―――()()()()()()()!」

 全員が即座にイリスまで辿り着く事は出来ない。
 ならば、せめて一人を確実に。
 その意思が、眼と言葉のみで伝わる。

「すずか!」

「うん!」

 “死闘の性質”の神がレイアーを抑える。
 同時に、アリシアとすずかが術式を編み出した。
 すずかがカタパルト代わりの足場を、アリシアが撃ち出すための砲台を作る。

「リイン!わかってるな!」

『当然です!』

 さらに、加速のための術式をはやてとリインが共同で編む。

「フェイトちゃん!アリサちゃん!」

「二人共、しっかり掴まってて……!」

「こんな所でヘマなんて起こさないわよ!」

 乗り込むのは、フェイトとアリサとなのはの三人だ。
 安全確認、術式の確認などせず、即座に術式が起動する。

「行くよ!」

   ―――“霊魔加速術式”

 三人が流れ星となる。
 同時に、レイアーの攻撃が抑えきれずに、残ったアリシア達を襲う。
 それでも、既に三人は飛んだ。

「ッ……!!」

 加速による速度を、フェイトの速度を以って維持する。
 だが、それでもイリスまでは届かない。

「行ってきなさい、なのは!!」

   ―――“霊焔衝(れいえんしょう)

 だからこそ、アリサもここにいる。
 剣にありったけの霊力を籠め、なのはがそれに足を合わせる。

「ッ、せぇえええええええええいッ!!」

「レイジングハート!」

〈A.C.S. Standby〉

   ―――“煌めけ不屈の光よ(シューティングスター・ミソロジー)

 炎の爆炎と共に、なのはは流星となった。




















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