最終章:無限の可能性
第287話「佳境」
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じよう?」
きっと大丈夫だと、ただ信じる。
根拠などは一切ない。だけど、それでも信じるべきだと、なのはは言う。
その“意志”こそが重要なのだと言わんばかりに。
「……そうだね」
「それよりも、早い事―――」
“行こう”。そうアリシアが言おうとした瞬間。
六人の上空を一筋の閃光が通り過ぎていった。
「……椿さん?」
その閃光から、アリシアは確かに感じ取った。
そこに集束していたあらゆる“意志”を。
目指す場所へ届けるための、椿の“意志”を。
「まさか、神界の入り口から、狙撃……!?」
「アリシアちゃん、何を言って―――」
「今の、椿さんの矢だよ!それも、途轍もない“意志”と威力だった!」
簡潔に、ただ驚愕の事実のみを伝える。
ただ強力なだけならまだいい。
問題は、神界にいるはずの椿がここまで攻撃を届けたという事だ。
「嘘やろ!?」
「ううん、確かに椿さんの“意志”を感じた。それに、向かう先は……」
矢が飛んで行った方向は、まさにイリスがいる方向だった。
優輝達と戦闘している影響か、“闇”の気配が漏れ出てる。
その事から、なのは達もイリスのいる方向は把握できていた。
「これは、私達も負けてられないね」
「うん。早く行って、手助けを―――」
負けじと自分達も行こうと歩を進める。
その直後、極光が薙ぎ払ってきた。
「ッ……!?なんで……!?」
「っ……逃がさない、わよ。人間……!!」
極光を放った場所には、レイアーがいた。
だが、彼女は確かになのは達が倒したはずだ。
「確かに“領域”は砕いたはず。気配も消えて、元の居場所で再誕を……ッ!?」
ルフィナの経験から、何が起きたかなのはが推測する。
そして、行きついた答えに驚愕した。
「まさか、復活した途端にこっちに来た……!?」
「……その通りよ……!」
見れば、レイアーは息を切らしていた。
それだけ急いで舞い戻ってきたのだ。
「(なんて、執念……!)」
「なんちゅう負けず嫌いや……!それでも“可能性の性質”かいな!?」
驚愕しつつも、なのは達は戦闘態勢を取る。
しかし、消耗したなのは達に対し、レイアーは息を切らしている事以外は万全だ。
“天使”も置いてきたとはいえ、今のなのは達を倒すには十分だった。
「“死闘”を制した相手に、見苦しいぞ」
故に、彼は残っていた。
こうなる事を、予期していたがために。
「は……?」
「“可能性の性質”であるならば、彼女らの“可能性”を認め、先に進めるべきだ。……でなければ、俺が相手だ」
“死闘の性質”。その神が
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