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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第73話:その名は旗頭に非ず
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係数が落ちた辺りから、動きが鈍くなって……』
奏の危惧が現実になった。先程奏は大技を使用してしまった。その時には既に適合係数が下がっていたとすれば、その際に受ける筈だったバックファイアを颯人は全て受けてしまった事になる。
しかも今彼は、外でジェネシスの魔法使いと交戦中だと言う。そんな時に突然、ギアからのバックファイアを受ければどうなるか?
「颯人――!?」
居ても立っても居られず、奏は外に出て颯人と合流しようとしたがノイズがそれを許さない。攻撃しても再生する今のノイズを相手に、奏は我武者羅にアームドギアを振るう。
「くそっ!? 退けお前らッ!?」
「奏さん、落ち着いてくださいッ!?」
「待って、奏ッ!?」
「落ち着いていられるかッ!? 颯人が、颯人がッ――!?」
颯人のみに迫る危機に、奏が普段からは想像もできない取り乱し方をする。仕方がないだろう。一度は死に掛けた彼だ。心配になるのも無理はない。
その時、4人の耳にヴァイオリンの音色が響いた。透のカリヴァイオリンによる演奏だ。
それが響くと、通信機から了子の声が奏達の耳に届く。
『皆の適合係数が上昇してる!』
「ッ!? 透かッ!」
以前、透は奏達のシンフォギアの適合係数を下げ、代わりにクリスの適合係数を上げて絶唱のインスタント版的な攻撃を可能とした。今もそれと同じように、奏達のシンフォギアの適合係数を上げ負担を軽減させたのだろう。
それはつまり、外で戦っているらしい颯人の負担が減る事も意味している。
「サンキュー、透!」
「よし! 一気に畳み掛けるぞ!」
「はい!」
「当たりめぇだ!」
この機を逃す訳にはいかないと、奏達は一気に周囲のノイズの殲滅に取り掛かった。廊下が崩れる危険も厭わず、大技で消し飛ばす。
正に飽和攻撃と言うに等しい攻撃により、ノイズ達は一体残らず廊下から消え去った。
静かになった廃病院の廊下のど真ん中で、奏達は何時になく疲れた様子で佇んでいた。
「はぁ……はぁ……よし、静かになったな」
「透、取り合えずもういいぞ」
一先ず透には演奏を止めさせた。演奏をしている限り、彼は他の事が出来ない。戦闘が一旦とは言え終わったなら、演奏を止めさせ行動に余裕を持たせるべきだ。
演奏の手を止め、カリヴァイオリンを下ろす透。だが次の瞬間、何かに気付いた彼はクリス達を押し退け前に出た。
それと同時に廊下の向こうから何かが飛び出し襲い掛かってくる。
「グルァァッ!」
飛び掛かってきたそいつを、透がカリヴァイオリンで切り裂く。
透に叩き落されたそいつは、明らかに普通の生物では無かった。
前後に細長い頭部に、四足歩行ながら人間の様な身体。その姿はまるで映
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