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俺様勇者と武闘家日記
第1部
ポルトガ〜バハラタ
シーラの正体
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ウリちゃん、もういいの?」
「何がだ?」
「どうして遊び人になったのかとか、なんで今まで呪文を使わなかったのかとか、聞かないの?」
「聞いてほしいのか?」
 面倒くさそうに言い放つユウリ。その様子を見て、シーラも目が覚めたのか、
「……そんな顔されながら聞いてもらうのも、なんかやだなぁ」
 そう苦笑した。
「俺が聞きたいのは、なぜお前が呪文を使えたかということだけだ。その理由がわかったんだから、もういいだろ」
 そうきっぱりと告げると、ルーラを使うから近くに来いと私たちに呼びかける。
『……』
 三人で顔を見合わせた途端、緊張の糸が緩んだのか、揃って笑みが漏れた。
 相変わらずうちのリーダーは何を考えているかわからない。でも、時折見えるその不器用な優しさに、私はいつしか彼を信じてついて行こうと思えるようになったのだった。
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