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幻の月は空に輝く
アカデミー入学・3
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「違う。自己紹介が嫌いなだけだ」
 口下手だからね。
 挨拶下手だからね。
 会話の取っ掛かりなんてわからないし。しかもサスケの後っていうのは難易度が相当上がりすぎているような気がする。
 心底嫌そうな私に気付いたのか、サスケは一瞬考えるように視線を宙へとさ迷わせたんだけど、再び私に戻ってきた時には大丈夫だと言わんばかりに不敵に笑う。
「名前だけでいいだろ。色々言ってる奴もいるけど、別に興味ないし」
「……そうだな」
 サスケはそれでいいと思うんだよ。顔だけできゃーと悲鳴ものだからね。けど私を気遣って言ってくれたサスケに、何とか笑みを返しつつ前の方に視線を戻した。
 漸く半分。えーと、何て言いながらも一生懸命自己紹介をしていく子供たち。
 見てるだけなら微笑ましいよね。そこに私が混ざる光景はまったく想像が付かないけど。寧ろ混ざれないけど。精神年齢的に小学生に混ざるのはちょっとね…。

「奈良シカマル。趣味は昼寝。嫌いな事は面倒な事」
 これぐらいか。と言いながら数秒で自己紹介を終えた目の前のシカマル。興味なさそうにさっさと席に座る。
 シカマルはクールだなぁ。子供らしくないといえばそれまでだけど、IQが高いっていうのも一因なのかもしれない。ちなみに、私の隣でつまらなさそうに自己紹介を見ているサスケの場合は、原因はイタチだろう。
 イタチや父親にしか興味がないから、同世代に対して視線を向ける事さえ煩わしそうにする時がある。まぁ、サスケが素直じゃないっていうのと、周りがうちはという事で遠巻きに見るから天邪鬼が発揮されただけだろうけど。
 左手で口元を隠しながら、教室全体を見渡す。
 サクラは自信がないのか俯いているし、キバは赤丸を頭に乗せて騒いでいるし。シノはそれを冷ややかに見つめながらも距離を置いてる。
 ヒナタはもじもじとしながら辺りに視線をさ迷わせて、いのはサスケをチラ見。一目惚れかな? サクラもビクビクしながらサスケを見てるし。

「……」
「何だよ?」
 モテモテだなぁって見たら、流石に露骨だったのかサスケが怪訝そうな表情を浮かべながら嫌そうに口を開く。
「別に」
 サスケはモテモテだね。
 と、態々教えるのは無粋なのか余計なお世話なのか。
 余計な事をしないでと怒られそうだから、素っ気無く答えておいた。何なんだよってサスケは怒ってたけど。
 普段から視線に慣れてるのか、自分が女の子の視線を釘付けにしている事には気付いていないらしい。
 鈍いなぁ。本当に鈍い。
 どうやら生暖かい眼差しをサスケに向けていたらしく、自己紹介がサスケにまわってきた時にはサスケの機嫌は最悪的だった。

「うちはサスケ。特にここで話す事はない」

 不機嫌そうに言い切り、サスケはこれ以上話す事はないとばかりに椅
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